A whole new world14 -jaejoong-

不安的中 ページ43

天井の高い空港内に響く黄色い歓声。

その中心に自分がいる事に萎縮して、
思わず握られている手に力を入れると、



JJ「ん？どうした？」


それまで無言で歩いていたジェジュンが立ち止まって振り返ったのが分かった。


更に大きくなる歓声。


「な、なんでもない！早く行こ」

急かすと、また歩き出す。

両側から


”結婚おめでとうー！”

”ジェジュンをよろしくー！”


時々聞こえる声。


良かった。

ファンのみんなを疑うような気持ちでいたのが申し訳なかったな。

行儀良く整列するファンの子達の列があと少しで切れる。

あと少し。

このまま・・・

そう思った時、


”絶対許さない！オッパを返して！”


突然聞こえて来た声に思わず足が止まって、

声のした方を見てしまった。


JJ「A。止まらないで」


ジェジュンに手を引かれて、そのまま空港のエントランスから迎えに来ていた車に乗ったけど、


多分・・・

あの子達だよね。


泣きそうな顔で私を睨んでいた若い女の子2人の顔が目に焼き付いていて、

やっぱり誰からも祝福される結婚ではないんだと思い知らされた気がした。


急がなきゃいけないのに、
順調とは言えない結婚式の準備。

実は、指輪だけじゃなく、衣装の事でもこの間喧嘩になりかけた。

そこに、祝ってくれる人ばかりではないと思い知らされたさっきの出来事。


日本で式を挙げる理由も結局はっきり聞けてない。



はぁ・・・

なんか、このまま結婚式を迎えてもいいのかな？



そんな気持ちになっていた。


こんな事思ってたらジェジュンに心配かけるだけ。

ファンの子が許してくれないなら、
許してもらえるまで頑張らないといけない。

忙しい中、ジェジュンもハニーさんも頑張ってくれてるんだし。


分かっていても、
なんだか自分の気持ちが進む現実に置いて行かれている気がして、

久々の日本の景色を懐かしむ事も出来ない私は



「まだ眠いから寝てもいい？」

JJ「・・いいよ。起こしてあげるから」


ちょっと心配そうな声のジェジュンに目を合わせる事なく、
目を閉じて寝たふりをした。

頑張らなきゃ→←意見の不一致

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す