椿姫物語 5【世界一クラブ】 (ページ8)

今日:33 hit、昨日:6 hit、合計:2,434 hit

鳥籠に憧れた光ページ8

〜No side〜

そんな皆がいる海岸を、一望
出来る灯台に花束を手にした
コウは立っていた

コ「...へえ、良かったじゃん
苦しみから少しは解放された
んじゃないの？」

心も籠ってない祝辞を述べた
コウは灯台から降りとある崖
に花束を置く

コ「...僕さ、やっぱり
イカれてるのかな？」

誰の事も好きになれない
皆が、全て、同じなんだ

コ「...何て言っても
答えてくれないよね」

コ「散雁ちゃんはそっちに
行ってたりしない、よね？
籠ノ身(かごのみ)家の叔父さん」

〜コウ side〜

ピーマンはあまり噛まないで
食べればいい、苦くて不味い
お茶は一気に飲む

千「コウ、お茶...どうかしら？
ちょっと苦いけど体には良い筈
だからっ」

コ「うん、大丈夫！」

気持ちとかもそう

コ「僕はどっちでも好き！」

コ「両方とも素敵だよ！」

コ「皆が好き！」

だってそうすれば皆は僕
を愛してくれるんだから

コ「父さん、今回は
いつまでいられるの
？」

瑛「そうだね...お姉ちゃん
の誕生日だからね！2、3日
はいられるよ！」

コ「わーい！」

寂しく無い、理由はどうあれ
父さんはいてくれたんだしさ

男「俺さー、アイツ
嫌いなんだよな」

女「分かるー、誰にでも
いい顔するんだよねー」

でもそうしなきゃ君達は
また、文句言うんだろ？

女「コウ君...先生の言う事
は何でも聞きなさい、そう
したら...先生の一番をコウ
君にしてあげるから」

コ「...はーい」

あぁ、キンッッッッモチワル

特別が欲しい、僕だけを見て
くれて僕を必要としてくれる
人が欲しい

母さんは僕が少し病弱だから
妥協の特別なんじゃ無いの？
ねぇねは、母さんが特別扱い
してるからってだけで僕自身
が特別な訳じゃない

父さんはただ自分が当主に
なれなかったから僕を当主
にしたいだけだから、多分
違う

分かんない、分かんない分かんない
分かんない分かんない分かんないっ
分かんない分かんない分かんないっ
分かんない分かんない分かんないっ

分かんないよっ！特別
って何なのっっっっ！？

コ「このまま誰も好きになれ
なかったらどうしよ、もしも
皆が僕に飽きちゃったら...」

そんな恐怖に怯える中で
僕は鳥籠の中にいる鳥を
見つけた