椿姫物語 5【世界一クラブ】 (ページ7)

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〜No side〜

す「...やっと
仲直りしたね」

徳「そうだな」

物陰に隠れながら二人は
泣きじゃくる声が響く海
の音を聞く

徳「...すみれは確か
知ってたんだよな？」

徳「Aの中に精神
が2つある、って事を」

す「大会の練習の
時に教えて貰った」

光一や健太と付き合い捨てた
和馬を嫌悪して当主としての
厳格を保つ為に作られたA

徳「今、健太と泣きじゃくっ
てるのが...本来のAか...」

月華への恋に近しい感情が
芽生え、自分が作ったもう
一人の自分からの苦しさを
押し付けられるA

徳「二重人格、って訳
じゃ無さそうだよな...」

す「まあ、いいんじゃない？
あたし達もさっさと行きます
か！」

走り出したすみれを追って
光一も二人の元へ走り出す

す「あーあ、負けちゃった！」

徳「だな」

健「え、え？」

「な、何が？」

徳「言ったろ？宝探しだって」

「う"、うん」

す「ヒントは思い出の場所」

健「だ、から？」

す「此処が思い出の場所！」

徳「そういう事だ」

してやられた、最初から二人
は自分達が仲直りする瞬間を
狙っていた

仲直りすれば、確かに其処
はある意味で思い出になる

ーばったん

「...うっそだろ〜〜〜！」

健「そんなあ〜〜〜！」

徳「グチは帰りの電車でな」

す「お腹空いたし早く帰ろ〜！」

徳「さっきあんだけ食べて
いたクセにデ...あ、やべっ」

す「光一ィィィィィィィィ！」

徳「うわァァァァァァァァ！」

光一が海に投げ飛ばされた
それを見た二人は、今度は
泣き笑いの声を発した