椿姫物語 5【世界一クラブ】 (ページ36)

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楔は不覚、深く、不確ページ36

〜No side〜

何て健気でいじらしくロマンチック
なのか...と当時の私は舞い上がって
いただろう

その恋に恋する感情は万人を
時に狂わせ時に満たす、正に
『毒になるし薬にもなる』。

そう、薬にもなるし。

毒にもなる。

椿「ぇ...」

コ「和馬君、当主の座を
蹴って家出したらしいよ」

和馬の脱退...そんなニュース
が走ったのだ、その理由は...
...父親の不倫だ

椿「不倫って...！
叔父さんが...！？」

コ「うん、何でもね...和馬君の
お母さんとは別の女性と関係を
築いてたんだってさ」

しかもその女は和馬の母と知り
合う前からで...素性も知らない
人で

ショックと怒りはあっただろう
けれど、置いて行かれた彼女の
気持ちはどうするんだ

君に裏切られたと、思いかけて
しまい罪悪感に串刺しにされる
彼女の気持ちは

そして、恋の醜さと悲しさを
知った私の気持ちはどうした
ものか...

それからは...予想通りだ。彼は
ずっとずっとずっと来なかった
7年間も

その7年間で、変化はあった...
籠ノ身家に新しい子が出来た事

そう、私と弟が好き
になる子達の事だ。