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人間以下の畜生 ページ23
〜No side〜
椿「...アンタね、コウ君に
想われてるとか自惚れない
事だね」
椿「アンタは人間擬きの畜生
畜生が人間を愛す事も想う事
すら穢らわしい！」
散雁は声を殺して、泣き出す
咲鶎はただ悔しさを噛み殺す
椿「...さっさと
終わらせなよ」
それを捨て台詞に主人が去ると
咲鶎は壁を殴ったがすぐに姉を
気遣う
咲「悔しいけどアイツの言う通り
でもある...僕達は、確かに人以下
だし」
散「そんな事ないよっ」
咲「あるよっ、僕達はただ
猿真似をしてるだけだっ...」
散「そんな事、無い」
散「私達は、人間だよ」
散雁は涙を拭き凛とした
目で見つめられ、咲鶎は
目を逸らす
散「...君にも
いつか分かるよ」
咲「...死ぬ直前？」
散「ううん」
散「...誰かを好き
になった時、だよ」
咲「...馬鹿馬鹿しい」
咲鶎はもう行くからと言って
消え、散雁だけが冷たく広く
長い廊下に残される
散「...ううん、いるんだよ
咲鶎君...君をずっと待って
泣いてる人がいるんだよ...」
散「ずっと君の
たいと願って祈ってる人が
いるんだよ...」
なんて、言ったのは
彼女しか知らない
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作者名：スカーレット | 作成日時：2021年12月15日 14時
