籠を壊して ページ12
〜No side〜
それから数十分が経った頃だ
二人がまだ帰って来ない事に
皆が不安がった
コ「僕、見てくるよ」
月「雨が降るらしい
から、早めにしなよ」
コ「わぁかってるよー！」
コウは折り畳みを2つ持って
走りつつ空を見上げた、雨
がいつ降ってもおかしくない
天気だったため彼はスピード
を上げた
ージャリッ
コ「叔父さん？いないの？
雨が降るかもしれないよー
？叔父さーん？」
広場を歩きながら声を掛け
続けるが返事は無く、ただ
雨前の荒々しい風が吹く
コ「まったく、何処にい...」
コウはふと、バルコニーを見た
鉄製じゃない木製のバルコニー
だった
色は茶色なんて事を気にする前
にコウはとある一点を見つめた
ーボロ...
バルコニーの一部が荒々しく
途切れていたのだ、人為的な
割れ目を残して
コ「まさかっ...！！」
コウはすぐさまバルコニーに
駆け寄った、海に落ちない様
に身を乗り出して下を見た
コ「......ッッ！」
下を見てみた、赤いのが流れてた
匂いを嗅いだ、潮とは別の匂いが
傘を落とした、初めて見たからだ
コ「叔父、さん...！」
そこには息を絶え絶えとして
波に打たれながらも、地面に
這い蹲る叔父がいた
〜コウ side〜
そこから、僕は電話しつつ崖下
の叔父さんを介抱しに向かった
幸い、叔父さんが病院に
運ばれるのは早かった...
でも、病院で亡くなった
『犯人は散雁だ』
そう言ってからね
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作者名：スカーレット | 作成日時：2021年12月15日 14時
