椿姫物語 5【世界一クラブ】 (ページ2)

今日:27 hit、昨日:6 hit、合計:2,428 hit

彼の、彼女の秘密ページ2

〜コウ side〜

ーひんやり

コ「ふわああ〜〜...っ」

灼熱の外から早歩きでカフェに
すぐ入るとクーラーの風が僕を
『大丈夫？暑かったでしょ！？』
と労ってくれた

女「いらっしゃいませ」

コ「えっと、ストロベリーと
チョコチップアイスのダブル
下さい！」

店員さんはすぐにテキパキと
作り僕の手へアイスを恵んで
くれた

女「お待たせしました、ストロ
ベリーとチョコチップのダブル
ですね」

コ「はーい」

女「素敵なワンピースですね」

コ「...ありがとうございます！」

コ「でも僕が男だって知ったら
すぐ、気持ち悪がるんでしょ？」

何て口には出さなかった

〜No side〜

『世の中の可愛い物は全部
女の子の為に』、それは彼
が初めて知った常識だった

コスメやアクセサリーにドレス
今、自分が着て持っている物は
男である自分が持つのは...おか
しいのだ

コ「...散雁ちゃんなら
何て、言うのかな...」

ショーウィンドウを眺めるコウ
の後ろを健太達、二人組が通る
が互いに気づかない

健「やっぱり、分かんないよ〜...」

「ヒントも無いし...」

汗を拭い再度訪れる沈黙
の中で切り出されたのは

「...帰ろっか」

健「え...」

「だって無理ゲーじゃんかっ！
幸い、二人がいない今なら帰っ
てもバレないしさっ」

健「...逃げるの？」

ーカチン

「...仕方ないし、大体...君
だってヒントの意味がわか」

健「僕はっ」

健「...僕は
ちゃんと勝負したい」

健太は珍しくむすっとして言う
子供か...と呆れため息を吐くも
仕方ない、付き合ってやるかと
Aは諦めた

最初は街の中を歩く、調査の
為に立ち寄ったアイス屋さん
で買ったアイス片手に

お店を見て小さい市場を見たり
近所の子に情報収集して、時々
道端にいた猫を撫でたりする

健「もうこの際なのでカミング
アウトしちゃいますが、お二人
が未だに結婚してるのを僕は知
っております」

「え、マジで」

健「マジです、本気
と書いてマジです」

「いやあれは仕方ないと言うか
拒否権は私には無くてそれは当
人達の...じゃなくてだね？」

「...まあ、椿との結婚は
まず無理だとは思うよ」

「...あの二人、血の繋
がった兄妹なんだから
さ」

ショーウィンドウに映る
目には不快さが映ってた