忘れたい恋心は日に日に募り、大きな愛へと変わる (ページ6)

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episode6 ページ6

〜アルバート〜

｢それじゃあ大変だったんですね｣

アルバート｢そうでもないさ。ウィリアムとルイスは本当に手がかからない賢い弟だし、ロックウェル伯爵家にも良くしてもらったからね｣

Aには“真実を隠してありのまま”を話した

あの火事の現場にはAもいたし、記憶を思い出す手掛かりになればと思ったが、上手くはいかない

アルバート｢Aはどんな服がいいかな｣

｢アルバート様にお任せします｣

アルバート｢それは僕好みでいいと？｣

｢こだわりとかないので｣

アルバート｢その敬語。やめてくれると有り難いんだが｣

｢ですが……｣

アルバート｢僕がそれを望んでるとしても？｣

｢それなら……まぁ、はい。うん｣

アルバート｢それじゃあまずは服を買いに行こうか。その後はどこかで昼食にして……｣

｢そこまで気を遣わなくて大丈夫｣

アルバート｢僕がAと食べたいんだ｣

｢でも……。それは他の女性と行ったらいいんじゃない？｣

わざとらしく視線を逸らした

その先には貴族の女性の方々

貴族の義務とか、貴族である身分とか、私にはどうでもいい

私が優先したい人物はこの世界でたった一人

アルバート｢僕はAとデート(買い物)するのに忙しい｣

はぐれないように再び手を繋ぐと、すぐに放された

アルバート｢嫌なら口で言ってくれて構わない｣

｢いえ……。睨まれたから｣

アルバート｢あんなのは無視していい｣

ただの嫉妬なんて、Aが気にするものじゃない

私が側にいる限り、ずっと守れるのだから

｢そうだ。この辺に本屋さんある？｣

アルバート｢少し行った所に。図書館なら近くにあるよ｣

｢………………ん、図書館でいい｣

アルバート｢本屋にも行こうか｣

それだと今日1日では到底回りきれない

なにせ歩きだからね

そうなると明日も出掛けないと

Aと2日連続でデートが出来るなんて幸運すぎる

アルバート｢あ、少しだけ待ってて｣

自分から繋いだ手を自分から放すのはズルいと思った

本当なら帰り際に買うのがセオリーなんだろうが、後回しにして売り切れていたら元も子もない

Aはあまりアクセサリー系は好まないが髪飾りなら受け取ってくれるだろう

幸運をもたらすと言い伝えられている四つ葉をモチーフにしたヘアスライド

買って、戻ると、Aが男と楽しそうに喋っていた

その男は私もよく知る人物

アルバート｢ホームズ……｣