episode35 ページ35
〜アルバート〜
ウィリアム「……と、言うことで今回のターゲットは……」
アルバート「ウィリアム」
ウィリアム「どうしました兄さん」
アルバート「みんなにも……。一つだけ、これだけはハッキリさせておきたい」
モラン「何だよ。改まって」
アルバート「私にはウィリアムの計画よりも、優先すべき事がある」
モラン「あ?そりゃアルバート。俺には、お前が抜けるって、聞こえたんだが」
アルバート「そう捉えてくれて構わない」
ジャック「笑えん冗談だな」
アルバート「安心して下さい。本気です」
ウィリアム「その優先すべき事は、Aさんですか」
アルバート「そうだ。Aは今、事件の記憶を思い出しつつある」
モラン「だからって!!お前がそこまで肩入れする理由はないだろ」
アルバート「大佐。私はね。知ってるんだ」
モラン「何をだ」
Aの弱さを
思い出して欲しくないというのは本心だった
自分の事は無頓着だが、他人の事は背負い込む
アンバランスなんだ
A・クラリスという人間は
モラン「おい?アルバート?」
アルバート「Aを守れないなら私はこの屋敷を去る」
ジャック「そんな子供のような駄々をこねるとは、らしくないぞ」
ウィリアム「確認したいのですが、それは依頼ですか?」
アルバート「いいや。私個人の、決意だ」
私は何を犠牲にしてもAを守る
あの笑顔を曇らせたくはない
計画と同時進行ではダメなんだ
時間をかけるわけにいかない
事件を解決して犯人を見つけて、隠し財産を国に渡す
そうしなければもう、Aに安全な未来はない
ウィリアム「分かりました。計画は一旦中止。クラリス家の事件を追いましょう」
モラン「正気かウィリアム」
ウィリアム「僕達は三人で犯罪卿なんだ。そして何より、僕に新しい人生をくれたアルバート兄さんがいなくなるのは困る」
フレッド「アルバートさん!!」
アルバート「どうしたんだいフレッド。そんなに慌てて」
フレッド「あの、これ……」
息を整える間もなくフレッドは懐中時計を取り出した
銀色に光る蓋の部分にはクラリス家の家紋が刻まれている
これは……間違いなくAの物だ
フレッド「実はこれ。質に入れられていたみたいなんです」
アルバート「なぜ……?それは……」
考えるよりも先に体が動いた
懐中時計を持ってAの寝室へと急いだ
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はわわ - ローズって名前に設定したんでピッタリでした😀 (2022年5月9日 11時) (レス) @page1 id: 7f8b0d6085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2020年11月27日 20時