忘れたい恋心は日に日に募り、大きな愛へと変わる (ページ27)

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episode27 ページ27

〜アルバート〜

マドレーヌを美味しそうに頬張るAはずっと見ていられる

これで二人きりなら文句はなかった

正面もいいが、隣りに座って横顔を眺めるのもいい

｢じっと見てどうしたの？もしかしてアルバート様も食べたいの？｣

アルバート｢食べさせてくれるなら｣

｢伯爵なのにそんな、はしたない事するの？｣

アルバート｢だって僕は貴族としてではなく友人としてここにいるからね｣

｢でも貴族じゃん｣

マイクロフト｢一人だけにするから目立つんだ。という事で私にも食べさせてくれるかな｣

アルバート｢は……？｣

※原作1巻 51Pのような顔をしてます

アルバート｢ご冗談ですよね？｣

マイクロフト｢(面白いな。二人共)｣

Aは不思議に思いながらも本気で食べさせようとする

しかも私よりも先に

その提案は私がしたものだぞ

ホームズ｢(殺気出しすぎだろ)｣

マイクロフト｢彼よりも私を優先させてくれるとは嬉しいな｣

｢彼？アルバート様ですか？だって同じ家にいるから外でする必要は……。あ、もしかして食べたかった？｣

アルバート｢いや、いい｣

つまり家の中では好きなだけ食べさせてくれるとうことか

それなら嫉妬する理由がないな

Aは私の世間への評判を落とさないよう配慮してくれている

そういう変わらぬ優しさは、いつも私の胸をこがす

ズルいな

好きになる要素を増やしていくなんて

最初から全部分かっていたのに

Aへの想いをそんな簡単に忘れなられるものなら好きになったりはしていない

勘違いとか幻想だとか、自分に言い聞かせている

触れたい

そう思うと無意識に手を重ねていた

｢アルバート様？｣

キョトンとした顔

周りの二人は面白がるように口角が上がっている

目的を果たしなら早く帰ってもらえないだろうか

｢そういえばアルバート様。アルバート様はもう軍人じゃないの｣

アルバート｢……｣

言ってしまいたい

存在しない組織の指揮官だと

Aには嘘をつきたくないものだな

｢あの格好カッコ良いから好きだったのに｣

アルバート｢いつでも着てあげるよ｣

マイクロフト｢言っておくが制服の貸し出しはやっていないぞ｣

アルバート｢では買い取ります。それなら文句はないでしょう｣

たった1回しか見せていない制服なのに好印象を持たれていたとは

財産を使い切ってでも手に入れておかなければ