episode22 ページ22
〜アルバート〜
Aは真剣だった
私にはそれをダメだと止める権利はない
Aだって分かっているはずなのに敢えて私に聞いてきた
アルバート｢私の側を離れないならいいよ｣
｢そこまで迷惑かけるつもりはない。この家に身を置かせてもらってるから、せめて自分の事は自分でしたい｣
アルバート｢それは記憶を取り戻すのに僕の力はいらないってこと？｣
｢そんなつもりは……。でも、そうなるのか。さっきの言い方だと｣
アルバート｢迷惑なんて思わない。もっと僕を頼ってくれ｣
｢その気持ちだけでいいよ。昔は友達だったかもしれないけど、少なくとも今はそうじゃないんだからさ｣
ハッキリとAの口から拒絶されると堪える
分かっている
友人と言うのは僕だけ
Aからしてみれば僕は親切にしてくれる他人
アルバート｢分かった。行くのは許可する｣
｢する、“けど”って、続く？もし何かあるなら言って｣
アルバート｢絶対に僕の側から離れないで。お願いだから｣
｢ええー……。まぁいいや｣
アルバート｢それと｣
｢まだあるの｣
アルバート｢誰に何を言われても、僕の話しに合わせて欲しいんだ｣
｢ん？えっと……？｣
アルバート｢いいね？｣
｢う、うん｣
アルバート｢素直でよろしい｣
｢子供扱いしてる？｣
アルバート｢まさか。あ……あの、さ。断片的でもいいんだけど、その……。何か思い出したりはしてないか。例えば……“花”……のとか｣
｢花……？｣
アルバート｢いや、いいんだ。覚えていないなら｣
｢あるよ｣
アルバート｢え……？｣
｢花のこと｣
アルバート｢そ、そうか。思い出してくれ……｣
｢シロツメクサで可愛い指輪を作ってくれた｣
アルバート｢っっ！！｣
違う
それは……
アルバート｢ルイスに朝食を作ってもらうから待っててくれ｣
力なく立ち上がって部屋を出ると、急激に気分が悪くなった
私とAを結ぶ“花”は誕生日に歳の数だけバラを贈ること
ならば指輪とはなんだ？
誰に貰ったんだ？
私以外にAに好意を寄せる男がいた？
そんなわけない
常日頃からクラリス家は、Aは、嫌われていた
ふざけるなふざけるな
何も知らないくせにAに想いを抱くなど許し難い
彼女は私のモノだ
私以上に相応しい男がいるものか
もしも私からAを奪う男がいるならばどんな手を使っても……
アルバート｢殺してやる｣
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はわわ - ローズって名前に設定したんでピッタリでした😀 (2022年5月9日 11時) (
レス) @page1 id: 7f8b0d6085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆ
| 作成日時：2020年11月27日 20時
