忘れたい恋心は日に日に募り、大きな愛へと変わる (ページ14)

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episode14 ページ14

〜アルバート〜

MI6の指揮権も手に入れて、ロンドンにいながらAとこうして暮らせるのは最高に気分がいい

それにここにはホームズも……

いや待て

あの男の住まいは確かベーカー街(ストリート)じゃなかったか？

つまり……このロンドン

ならなぜあの男は毎日のようにダラムにいたんだ

Aに会いに来ていたとなればもう容赦してやる必要はない

全力で叩き潰す

モラン｢うお……！！アルバートの奴。何であんな殺気立ってんだ？｣

ボンド｢またホームズ(悪い虫)のことでも考えてたんじゃない？｣

ウィリアム｢そうだ兄さん。この記事読みましたか？｣

アルバート｢ん？あぁ。豪華客船でのクルーズか。当然だよ。チケットも買ってある｣

フレッド｢もしかしてウィリアムさんが言っていた、僕達のリフレッシュ休暇ってこの事だったんですか？｣

ルイス｢さすが兄様です。ウィリアム兄さんの考えを新聞の記事一つで読み解くなんて｣

アルバート｢Aと二人分しか買っていないが？｣

モラン｢は？｣
フレッド/ボンド『え？』

アルバート｢当然だろう？だからみんなには悪いが、別の場所で休暇を楽しんでくれ｣

モラン｢実に清々しいな｣

アルバート｢何がだい？｣

｢おはようございます。今日はみんな早いんですね｣

ウィリアム｢Aさん。敬語｣

｢あ……。早い……ね｣

ボンド｢たまたま目が覚めただけだよ｣

フレッド｢Aさんはもっとゆっくりしてていいんですよ｣

｢私も……目が覚めたから｣

アルバート｢おはようA。今日の夜なんだけど船に乗らないか？豪華客船のチケットを知り合いに譲り受けてね。同伴してくれるパートナーを探しているんだ｣

モラン｢(しれっと嘘つきやがった)｣

｢ごめん。今日は1週間前から約束があるの｣

アルバート｢そうか……。それは残念だ｣

1週間前ならホームズではないな

記憶がないとはいえ、友人ぐらいは出来る

男でなければ誰と会おうが一向に構わない

後で事細かく本人の口から報告はしてもらうが

アルバート｢今から出掛けるのかい？｣

｢うん｣

ルイス｢せめて朝食だけでも｣

｢今日は……グレープフルーツのパイ食べるから、いい｣

アルバート｢気を付けて行ってくるんだよ｣

｢行ってきます｣

あんな可愛い言い方されると何も言えなくなる

あれを天然(素)でやってくるのだからタチが悪い