忘れたい恋心は日に日に募り、大きな愛へと変わる (ページ11)

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episode11 ページ11

〜アルバート〜

今日はウィリアム達がAを連れてこのロンドンにやってくる

確か、ウィリアムの王立学会の論文発表だったな

同じ都市にいるのなら口実を見つけて会いに行ける

口角が緩むのを抑えてポーカーフェイスを気取っていると、血相を変えたルイスと焦る気持ちを隠せないウィリアムが私の元に来た

ウィリアム？

どういう事だ

ここに来るのはAとルイスのはず

アルバート｢何が……あったんだ｣

ウィリアム｢それが……｣

ウィリアムの話しによればこうだ

汽車で到着したウィリアム達は“予定通り”にバラけた

そしてそこで写真を片手にウィリアムを声をかけるまではよかった

隣りにいたAを見て｢クラリス家｣と呟き、そのままAを攫った

なぜ……Aなんだ？

間違えぬように写真は送ったはず

ウィリアム｢すみませんアルバート兄さん。僕が付いていたのに……｣

アルバート｢いや……。お前達だけでも無事で良かった｣

ルイス｢しかし……！！Aさんが……｣

アルバート｢一人の臣民の危機を救えずして、どうして帝国を守れよう！｣

軍人｢そうとも！！｣

軍人2｢必ず助けてみせる！！｣

そうだ

Aは私が助ける

すぐに救出部隊の指揮を執りたいと便宜を図ると、意外にも早く結論が出た

偶然にも私の率いる中隊がロンドン市内に駐屯している事も決め手の一つ

私には優秀な相談役がいる

居場所を割り出すなど容易い

すぐに助けに行く

だから無事でいてくれ

･

ボス｢まさかこんな所でクラリス家の人間と会えるとは思わなかったな｣

｢はぁ……｣

ボス｢つーか……もうちょっと喚いたり出来ないのか！？何で自分は無関係みたいな顔してる。誘拐されたって事分かってるのか！？｣

｢それは何となく……はい。でも、こういうの初めてでどうリアクションしていいか分からなくて｣

ボス｢(やりずらっ！！)｣

｢それで何で私を？｣

ボス｢どうしても聞きたい事があってな｣

｢ご期待には添えないかと。生憎、記憶がないもので｣

ボス｢そうか。だが安心しろ｣

｢っ……！？｣

ボス｢こうやって痛めつければ嫌でも思い出すしかなくなるだろ？女だから、顔は勘弁しといてやる｣

｢微妙な優しさをどうも｣

ボス｢俺の足が蹴り疲れる前に、思い出してくれよ。でないと……お前が死ぬことになるぞ。A･クラリス｣