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〜アルバート〜
全てを捨ててイバラの道を進むことを後悔してないと言ったら嘘になる
あの家も家族も失ったところで何の問題も生じない
たった一つを除いては
A・クラリス
彼女の存在が私を悩ませる
好きだとは言ったことはなかったけれど、ずっと一緒にいるのだと子供ながらに思い込んでいた
私も浅はかだったな
アルバート「はぁ……」
ウィリアム「あの……兄さん?何か困ったことでも?」
アルバート「いいや。どうして?」
ウィリアム「さっきからため息ばかりついていたので」
ルイス「僕も気になります。17回も無意識にため息が出るなんて何かあったとしか思えません」
アルバート「本当に何でもないんだ。心配かけてすまない」
彼女のことはみんなには関係のないこと
知る必要のない
モラン「ようアルバート。お前昨日。花屋で何してたんだ」
アルバート「花を見てたんだ」
モラン「そうじゃねぇよ。あんな熱心に選ぶなんて女へのプレゼントか?」
ウィリアム/ルイス『えっ!!?』
ルイスはともかく、ウィリアムまで声を上げて驚くとは
そんな珍しくはないと思うのだが
私だって立場上、付き合いというものがある
まぁ、今回は完全にプライベートはことで、しかも大佐の言ったこともあながち間違ってはいない
今日はAの誕生日
約束したんだ
毎年、その歳の数の薔薇を贈ると
渡す相手もいないから、本当に見ていただけなのだが
いつも遠慮がちに笑って受け取ってくれるその顔を思い浮かべるだけでも満たされている
この道を自らの意思で進むと決めた今となっては、私のいち感情など捨て去らなければならない
“好きだった”と、この想いは過去のものとして、忘れてしまおうとすれば会いたくなった
選んだのは私なんだ
愛した彼女よりも、大切な
全てはこの国のために
ルイス「アルバート兄様。その女は信用出来るんですか。もし容姿や家柄目当てに寄ってくるのであれば……」
アルバート「ルイス。そういうんじゃない。本当に、ただ見ていただけだから気にすることはない」
例えそういう仲だったとしても彼女はそんなもので私を見たりはしない
私だってそうだ
彼女が平民だったとしても私は惹かれ、こうして恋焦がれていた
大丈夫
忘れられる
もう二度と、誰かを特別以上に想ったりはしない
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はわわ - ローズって名前に設定したんでピッタリでした😀 (2022年5月9日 11時) (レス) @page1 id: 7f8b0d6085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2020年11月27日 20時