正直な想い ページ34
「フエゴレオン様とお別れする日が怖くて……なかなか話を切り出せなかった……」
目を擦りながら一呼吸置いて彼女は続ける。
「あなたが結婚を迫られてると聞いて……私は身を引かなきゃって。
でも一緒にいたくて……！」
肩を震わすAが下をうつ向くと同時に涙の雫がハタリと数粒落ちた。
私は立ち上がりソファに座って泣いている彼女の隣に腰かける。
背中を丸めて涙を拭うAが、私より２０センチ以上身長が短く華奢だと思っていた身体が、今はよりいっそう小さく見えた。
「あなたのこと、好きにならならなきゃよかったって……」
「……」
Aの言葉を聞いて正直安心した自分がいた。
「A、そんなことを言わないでくれ」と彼女の頭を撫でるとヒクヒクと涙をすすったため彼女の頭が小さく上下する。
「Aは……Aは私をどう思っているんだ？」
私にとってとても大事な質問だった。
彼女の本当の気持ちをちゃんと言葉にしてほしい。不安で押し潰されそうな私の手を取って救い上げてほしい。
私の言葉を聞いてゆっくり顔を上げて私を見るA。
あぁ、泣きすぎて目尻が真っ赤になってしまっている。
鼻水を一度ズズッと吸って涙のゆらぐ瞳で私を見つめるAから目が離せない。
「す、す、す」
鼻が少々赤い。
だが、頬はそれよりも赤く染まらせながらAは勿体ぶったように言葉をどもらせるので「ん？」と優しく次の言葉を待つ。
「す、好き……です」
まばたきをしなくても、大粒の涙が溢れでて、それを親指ですくうように拭ってやる。
「フエゴレオン様のこと、好きです」
その言葉を聞いて、Aの身体を抱き寄せる。
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あわわ(プロフ) - 頃音様、いつもありがとうございます！長々と申し訳ないですがまだまだ続きそうです。できる限りの１日１話更新ペースで頑張っていきたいです。頃音様もお身体にお気を付けて！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月2日 18時) (
レス) id: 7a4853944d (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - リアルでもお忙しいかと思いますがこちょう様のペースで出来上がっていく物語を陰ながら応援しております！最近は大分寒くなってきたようですので、お身体を崩される事もあります。お気をつけ下さい。 (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - 続編おめでとう御座います。前回のコメント返信でヤミさんとの関係の清算が第三章くらいで今はまだ第一章と読んでホッとしました。お話を拝読している時は終わりが近いのかと勝手に思っていたので今後も続くと知って楽しみが増していきます。→ (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちょう | 作成日時：2019年11月1日 21時
