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「ありがとうございました。美味しくいただきましたよ。ベリーのも美味しかったですし、ジンジャーブレンドもよかったです」
入院中いつも楽しく飲ませていただいたので本当に感謝しかない。きっとベゼットさんがおすすめしたものなのだろう。
つい笑みがこぼれる私を見てフエゴレオン様も「よかったよ」と満足そうだ。
「お返しなんて考えなくていいぞ」
気を遣うな、と言われ「そういうわけには……」と返すとふっ、と笑われたので首を傾げると「いや、そう言うと思ったんだ」と言って「じゃあ頼みがある」と提案される。
「何でしょうか？」
フエゴレオン様から頼みなんて珍しい。
私ができることならしたい。
「そろそろ”様”を外して呼んでほしいんだ」
カップに一口口付けてそれをソーサーに置くと彼は微笑みながらそう言って「敬語もいらない」と付け加えた。
予想外のお願いだった。
私ができることなら、したい。
そう思っていたけれど、私は彼のそのお願いを聞いていいのかわからない。
私たちは関係を清算しなければいけない。そうしたら、元の魔法騎士団の上司と部下に戻るのだ。
今思うと、その話をここで切り出すのはかなり勇気のいることだ。
彼のお宅でお世話になったあげく関係をまっさらにしようと言うのだからきっとぎくしゃくするだろう。今すぐ出ていけなんて言われるかもしれない。
でも、今まで話をする機会はいくらでもあったのだ。私がそれをずっと何かと理由を付けてためらっていたのだから、追い出されたとしても仕方がない。
嫌なドキドキで胸が高まる。
私がうつむいて黙ってしまったので、フエゴレオン様は「どうした？」と私を心配そうに見ている。
言わなきゃ、話を切り出さなくちゃーー！
「できません……」
膝の上に置いている両手をぎゅっと握って絞り出すように声を出す。
「なぜだ……？」
ポツリと呟くように聞かれる。
「……フエゴレオン様がお父様から結婚を迫られていると聞きました」
「姉上から聞いたんだな？」と指摘され「怒らないでくださいね？」と盗み聞きしたメレオさんに肩入れはよくないとは思いながらもフォローを一言入れておいた。
なかなか次の言葉が出なくて沈黙が続く中、フエゴレオン様は私の言葉をじっと待ってくれている。
「あの！
……
あの……私たちこのままこの関係はよくないと思うんです」
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あわわ(プロフ) - 頃音様、いつもありがとうございます！長々と申し訳ないですがまだまだ続きそうです。できる限りの１日１話更新ペースで頑張っていきたいです。頃音様もお身体にお気を付けて！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月2日 18時) (
レス) id: 7a4853944d (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - リアルでもお忙しいかと思いますがこちょう様のペースで出来上がっていく物語を陰ながら応援しております！最近は大分寒くなってきたようですので、お身体を崩される事もあります。お気をつけ下さい。 (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - 続編おめでとう御座います。前回のコメント返信でヤミさんとの関係の清算が第三章くらいで今はまだ第一章と読んでホッとしました。お話を拝読している時は終わりが近いのかと勝手に思っていたので今後も続くと知って楽しみが増していきます。→ (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちょう | 作成日時：2019年11月1日 21時
