ヴァーミリオン邸 ページ23
◆◆◆◆◆◆
まず目に入ったのは暗闇の中の天井だった。
何度かまばたきをして顔だけ横を向いてまわりを見ると天井からレースのカーテンのような物が垂れていて、天蓋付きのベッドだと気づく。
あれ……、私メレオさんと温泉にいたのに、ここ……どこ？
覚醒したてですぐ起き上がったので少しフラッとしたが、ベッドの傍らに丁寧に揃えて置いてあったスリッパを履いてベッド脇にある金の装飾のランプを付けるとほのかな明かりが部屋を照らす。
豪奢なベッドやランプに似合う広い部屋をこのランプではすべてを灯すことができていない。
コンコン――――。
扉のほうからノック音が聞こえたので「はいっ」と慌てて言うと「失礼いたします」と扉が開く。
現れたのは白髪混じりの髪をきれいにまとめ、使用人の服を着た初老の女性だった。彼女は部屋の明かりをつけておへそ辺りで両手を重ねてたたずんでいる。
「お目覚めのようですね。体調はいかがですか？」
優しい笑みで聞かれたので「はい、大丈夫です」と答える。
「あの、ここはどこなのでしょうか？」
「ヴァーミリオン邸でございます。
メレオレオナ様が運んで来られました。温泉へ連れていったらのぼせてしまったとのことです」
「そうなんですね……。
すみません、ご迷惑をおかけしてしまいました」
お酒を飲んだせいもあるだろうけれど、メレオさんにもヴァーミリオン邸の方達にも迷惑をかけてしまった。いい大人が恥ずかしいことだ。
「お気になさらないでください。メレオレオナ様がお客様を連れていらっしゃるなんて初めてでしたので、
動きはキビキビとしているが、微笑みはとても朗らかな素敵な女性だと思った。
「ありがとうございます。あの、私A・Aと申します」
自己紹介すると「まぁ、ご丁寧に……。
私はベゼットと申します。ここで３０年以上使用人として働かせていただいております」と美しい一礼をした。
３０年もここで働いているなんて、きっとこの家のことを何でも知っているベテランなんだろう。
「今日はこの部屋を好きにご利用くださいね」
綺麗な所作に魅入っていると、思わぬことを口にされたので驚く。
「いいえ！ こんな時間ですしご迷惑はかけれませんので帰ります」
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あわわ(プロフ) - 頃音様、いつもありがとうございます！長々と申し訳ないですがまだまだ続きそうです。できる限りの１日１話更新ペースで頑張っていきたいです。頃音様もお身体にお気を付けて！これからもよろしくお願いします！ (2019年11月2日 18時) (
レス) id: 7a4853944d (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - リアルでもお忙しいかと思いますがこちょう様のペースで出来上がっていく物語を陰ながら応援しております！最近は大分寒くなってきたようですので、お身体を崩される事もあります。お気をつけ下さい。 (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
頃音(プロフ) - 続編おめでとう御座います。前回のコメント返信でヤミさんとの関係の清算が第三章くらいで今はまだ第一章と読んでホッとしました。お話を拝読している時は終わりが近いのかと勝手に思っていたので今後も続くと知って楽しみが増していきます。→ (2019年11月2日 7時) (レス) id: 2fb5f4f14e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こちょう | 作成日時：2019年11月1日 21時
