お伽噺 〜参〜 ページ6
華紅夜「主様、あの」
主「長谷部〜…これなんだけど」
華紅夜「主様…私…」
主「山姥〜…あのさー」
華紅夜「……主様…」
私はあれ以来、華紅夜と喋っていない。
怖い。華紅夜に酷いことをしてしまいそうで。
華紅夜は日に日に痩せていった。
手入れもせず、ただひたすらに戦い続ける。
粟田口から、華紅夜の出陣を止めるよう要請があって一度外したのだが華紅夜から嘆願書が届けられ、出陣させている。
それに、ちょうど良かった。
折れてしまえばいい。…そうすれば、この気持ちに苛まれることも…。
石切「おや、主…なにやら良くない気が…祈祷しておこう。」
主「え、あ、ありがとう。パパ。」
石切「…パパは止めてくれ」
…ああ、少し気分がいい。…華紅夜に、会いたいな。
主「…華紅夜」
華紅夜「はい。…あ、主、様…あ、私…嫌われるようなこといたしましたか…無視されるのは…刀解より何百倍も辛かったですわ。…嫌われたならいっそ…あなたの手で…折られたい。」
華紅夜は無表情なのにその目から静かに涙を流していた。
不謹慎だけど、とても…綺麗だった。
主「…華紅夜…ごめんね…大好きだよ」
華紅夜は顔を手で覆い、泣き崩れた。
主「…華紅夜」
華紅夜「主様…私も…主様が大好きですわっ」
顔をあげた華紅夜は涙で濡れた顔で笑った。
光に反射して涙がキラキラと輝いた。
主「…ごめんね…」
粟田口「許しません。…お覚悟!!!!」
ちょ、ま、お前らいつからいた！
ちょ、マジに斬りかかってくんなー！
全「(一件落着…か？)」
温かく見守ってくれていた刀剣達。
ああ、私は幸せだ。
視界が滲んだ気がした。
ごめんね…華紅夜…
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作者名：愛されたいリアたん | 作成日時：2017年4月17日 22時
