『逢わせ屋』の日常13 ページ19
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「……さっきの子、知り合い？」
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櫻井は、テレビを見ながらお茶をすする大野に尋ねた。
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『……よかった、ね。…空…』
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大野が最後に呟いた一言を、櫻井は聞き逃さなかった。
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「……ねぇ、智くん」
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聞いても、目の前の茶色いふわふわは動かない。
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「……智、くん」
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目の前に立ち、大野の瞳を見つめる………しばらく沈黙が続いた。
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見つめ続ける櫻井に、大野はバツが悪そうに顔をそむけると、
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小さな声で話し始めた。
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「……昔、孤児院にいた時の………子…」
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櫻井は聞かなければよかったと後悔する。
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大野の"孤児院"時代。
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それは土足で踏み入ってはならない、そんな場所だった。
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「…小学校の、高学年の時くらいかな。
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……あの子が来て、年も近かったから……話す機会は多くてね」
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でも二年ぐらいであの子は親戚に引き取られていって、
……あっちは俺のこと、覚えてなかったんだけどね。
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そういうと大野は苦笑しながら俯いた。
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「……ごめん」
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「いいんだよ、気にしないで翔くん…」
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それは、例え櫻井であっても踏み入ることのできない領域。
そこにはいつも、……『和』がいるから。
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未だに何も言えず、立ち竦んでいる櫻井に対して、
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「…もうこの話は終りね、ほらパンの準備しなくちゃ」
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大野は明るく、そう言い放った。
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人をなくすつらさを自分は知っている。
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その人へ伝えられなかった、思い、後悔を。
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自分が一番知っているから。
だから、その辛い思いをもう誰にもさせないために。
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『逢わせ屋』は、あなたのために、
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あなたの幸せのために、存在しているのです。
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≪第一章 完 ≫
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ラッキーアイテム
革ベルト
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智歌(プロフ) - まぁさん» 初めまして、こんにちは。返信遅くなってしまい申し訳ありません;; 公開の件ですが、何らかの処置をとりますので、もう少しお待ちください。決まりましたら逢わせ屋【神愛の章3】でお知らせいたします。 (2013年2月8日 2時) (
レス) id: e8f0ec24b6 (このIDを非表示/違反報告)
アリーナ(プロフ) - 智歌さん» あ、私あんまりおぐさん好きじゃないんです(^_^;) 今はシェアハウスがあるからぐだぐだありそうですよね( ´ ▽ ` )ﾉ (2012年9月21日 23時) (レス) id: 5227c1cf82 (このIDを非表示/違反報告)
智歌(プロフ) - アリーナさん» 遅れちゃってすいません；；嵐の宿題くんときとかの五人＆おぐさんは最高でした(*^_^*) (2012年9月18日 21時) (レス) id: 6e178a1547 (このIDを非表示/違反報告)
アリーナ(プロフ) - 智歌さん» 返事遅れてスミマセン・・・ グダグダな五人がいいですよね(*´∀｀*) (2012年9月14日 17時) (レス) id: c47445d533 (このIDを非表示/違反報告)
智歌(プロフ) - アリーナさん» はいｗｗでもそんなぐだぐだな回も見てみたいですね！！← でもやっぱり一番見たいのは、前みたいな五人のやつだったり……(笑 (2012年9月11日 17時) (レス) id: 6e178a1547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：智歌 | 作成日時：2012年8月10日 14時
