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少しの気まずさも
お酒が入れば消えていって、
私たちはすぐに打ち解けた。
まるで、
ずっと友達だったかのように。
「えっ、20歳なん!」
「そうですよ〜」
「同じくらいだと思ってた」
そういう栗原くんは、
今年で24歳になったらしい。
とても本人には言えないけど、
私は私でもっと年齢が近いと思ってた。
もちろん幼いとかじゃなくて
この人の気さくな感じが、
私にそう感じさせたんだと思う。
「だから、栗原"くん"なんて失礼かも」
「いやっ、それはいいよ、そのままで」
「逆に俺、A"さん"って堅苦しかったな」
「私は全然、呼び捨てでいいくらいです」
「呼び捨てかぁ、」
そう言うと栗原くんは、
グラスに少し残ってたお酒を
ぐいっと飲みきって。
「.. A?」
首をこてん、と傾けさせて
私の顔を覗き込んできた。
私は、ただ目を合わせて
頷くことしか出来なくて。
少し照れたように微笑んで、
追加でお酒を頼む栗原くんに
私の心臓は鼓動をどんどん早めた。
ああ、大人だなぁ。
そう思った。
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作者名:淡埜 | 作成日時:2019年5月11日 0時