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あとでもうひとり。
もし女性が来たらどうしよう、と
私は勝手にそわそわしていた。
でも気付いて見てみると、
栗原くんの隣に座っていたのは男の人だった。
「すいませーん」
「はーい!」
栗原くんの声に、自然と反応する。
近付いてみると隣の人は、
その身体付きから野球選手のように見えた。
「生ふたつで」
「俺もそれで〜」
栗原くんの注文を打ち込む私の手が、
隣の人の注文によって止まる。
生ふたつ.. を、もうひとつ?
「えっ、と4つですか?」
「あほ、しゅん、お前のも含めてふたつやん」
「あ、そっか」
栗原くんに"しゅん"と呼ばれた彼は、
端正な顔をくしゃりとさせて笑った。
「じゃあ、生ふたつお持ちしますね」
ふたりのやり取りについ口元を緩ませながら、
私はその場を離れた。
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作者名:淡埜 | 作成日時:2019年5月11日 0時