20.帰り道 ページ20
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久々に六人で一緒に帰った。
何時ぶりだろう、こんなの。
神ちゃんと知夏は、いつも通り仲良さそうに少し前を二人で歩いていて、流星と望は楽しそうに後ろの方でだらだらと歩いているから、必然的に大毅と私は隣に並んだ。
前に一緒に帰っていた時とは、
私の想いも、大毅と私の距離も、全然違うはずなのに。
今までと何も変わらない、すぐ隣を大毅は歩いている。
ただそれだけのことが、とても嬉しかった。
「なあ、A」
学校を出てからしばらく続いていた沈黙を破ったのは大毅だった。
「…ん？」
「覚えとる？去年の合宿でAが砂浜で思いっ切り転んで砂だらけなったん」
「…えっ、ふふっ、何でそんなん覚えてんねん！」
「ははっ、鮮明に覚えてんで！今年は転ばんといてやー？」
きっと私は今、大毅と普通に話せてる。
だって前までの大毅と、何も変わってないんだから。
大毅は大毅だから。
好きな人の隣が埋まってただけ。
小さな片想いが、一つ散っただけ。
きっと、始めから全然近い距離に居た訳じゃなかったんだ。
私が勝手に近く在りたいと願って、
叶わなくって、離れた気がして、
勝手に距離を取っていただけ。
今も昔もずっと私達の距離はこのまま。
今まで通りに大毅と接すればいい。
きっと明日からの合宿だって、去年みたいに楽しいはず。
でも、それでも、
小さく疼く胸の痛みに気付かないふりをしても、
本当は明日が憂鬱で仕方なくて。
去年と同じように、なんて到底出来ないのは自分が一番分かっていた。
それでも、今の私には誤魔化すことしか出来なかったんだ。
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Hama(プロフ) - 凜憧さん» コメントありがとうございます！まずは代表して私が返信させて頂きます。私も含め全員綺麗な表現にこだわりつつ切なさ重視で書いてると思うので、その言葉がとっても嬉しいです！是非最後まで応援してもらえると嬉しいです、よろしくお願いします。 (2018年2月2日 23時) (
レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - コメント失礼致します。切なさを表すような表現工夫が個人的にとても好みな為、凄く続きが気になります。皆様の作品、全て見させていただきました。どれも面白くて大好きになりました！更新頑張って下さいね (2018年2月2日 19時) (レス) id: ba266bdcdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなららやん x他2人 | 作成日時：2018年2月1日 21時
