19.笑顔と影 ページ19
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「という訳で明日から合宿になるから、みんな気引き締めて臨むように。
今日は明日に備えてもう終わりにする。
じゃあ、解散」
ミーティングが終わり、ガヤガヤと帰りの準備を始める部員達。
「Aー、明日から合宿やんなっ！」
練習用具を片付けていると、ハイテンションな望が絡んでくる。
「そうやね」
「ほんま楽しみ！」
合宿は、確かに練習もするけれど、宿舎は海のすぐ側にあって、夜はバーベキューをしたり花火をしたりとイベント満載。
強化合宿というのは名ばかりで、私達にとっては毎年恒例の楽しい行事の一つだった。
「花火今年もみんなでやろな！」
望はニコニコしながら子供みたいにはしゃいでいる。
「せやね」
「お、みんな来た」
そう言った望の視線の先には流星と神ちゃんと知夏と大毅が居た。
「あ、」
思わず声が出てしまう。
私達の所に大毅が居るなんて、何だか凄く久しぶりな気がする。
「しげー、どうすか夏休み毎日彼女と会えない日々は」
望が大毅と肩を組んで聞いている。
聞かれている大毅がどんな顔をしてるか、なんて見たくなくて輪の中心から目を逸らすと、不意に流星と目が合った。
色々と見透かされているような気がして、私は慌てて目を逸らした。
「もう小瀧暑苦しいわー」
「まあどうせ会えなくても毎日電話してるんやろ」
望は膨れっ面で、笑って誤魔化す大毅を睨んでいる。
「ふふっ、もう、望自分が彼女居ないからって」
知夏も神ちゃんも、笑っていて。
でも、大毅は何も否定していない。
きっと、全部望が言った通りだから。
もう大毅を見ていられなくて、俯いて、大毅の影を見つめた。
皆が笑っているのに、私だけ笑えない。
でも、素直に悲しみを顔に出すことも絶対にしたくない。
何でこんなに苦しいの。
小さく息を吸い込んで、みんなの会話にちゃんと入ろうと顔を上げると、ぱちんと大毅と目が合った。
笑顔だったはずの大毅は、笑っていなくて。
少し苦しそうな、切なそうな顔をしているように見えた。
きっと私の気のせいだけど。
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Hama(プロフ) - 凜憧さん» コメントありがとうございます！まずは代表して私が返信させて頂きます。私も含め全員綺麗な表現にこだわりつつ切なさ重視で書いてると思うので、その言葉がとっても嬉しいです！是非最後まで応援してもらえると嬉しいです、よろしくお願いします。 (2018年2月2日 23時) (
レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - コメント失礼致します。切なさを表すような表現工夫が個人的にとても好みな為、凄く続きが気になります。皆様の作品、全て見させていただきました。どれも面白くて大好きになりました！更新頑張って下さいね (2018年2月2日 19時) (レス) id: ba266bdcdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなららやん x他2人 | 作成日時：2018年2月1日 21時
