02.夕空 ページ2
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放課後。
夕空の下のグラウンドでボールを追いかける大毅を、目で追いかけていた。
ずっと、ずっと。
いつからか、なんて鮮明には思い出せないくらい前から、大毅のことが好きだった。
物凄く近くにあるはずだった眩しい笑顔が、今はもう遠い。
私の見ている世界は、いつだって君が真ん中で笑っていたのに。
サッカー部のマネージャーになろうと思ったのだって、サッカーをしている時のキラキラした大毅が大好きだったから。
淡く煌めく、青春。
それが過ぎ去ってしまうのはきっと、一瞬で。
光が消えていくのも、彩が掠れていくのも、一瞬だった。
明日は試合があるから、みんないつも以上に熱心に練習している。
スコアノート片手に、グラウンドの端のベンチに座って練習を見ていると視界が遮られた。
見上げるとそこには同じクラスの流星。
「A、飲み物。」
首筋に伝う汗を拭きながら差し出されたもう片方の手に飲み物を渡すと、彼は私の隣に座った。
「ボーッとしてんと仕事せんかい。」
「してるよ。」
「どうかしたん？」
「…ううん、何もない。」
「…そっか。」
「…あのさ、大毅の彼女って…」
「ああ、1組の、如月祐理香やろ？」
如月さんは、すこく可愛くて、学年ではかなりの有名人。
「しげが如月なー。何か意外。」
「うん…そうだね。」
「…Aさ、しげのこと、「水瀬ー、藤井ー！練習終わり！ミーティングすんでー！」
望が私達に手招きをしている。
「流星何か言おうとしてた？」
「いや、大丈夫。」
「そう？じゃあ行こっか！」
帰り際、いつも一緒に帰っていた大毅ともう帰れないことを思い出して、逃げるようにグラウンドを出た。
この日は大毅に、いつも試合の前日には必ず言っていた「頑張って」を、初めて言わなかった。
いつの間にか日は落ちていて、空には白い月がぼんやりと、儚く光っていた。
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Hama(プロフ) - 凜憧さん» コメントありがとうございます！まずは代表して私が返信させて頂きます。私も含め全員綺麗な表現にこだわりつつ切なさ重視で書いてると思うので、その言葉がとっても嬉しいです！是非最後まで応援してもらえると嬉しいです、よろしくお願いします。 (2018年2月2日 23時) (
レス) id: 140c01c743 (このIDを非表示/違反報告)
凜憧(プロフ) - コメント失礼致します。切なさを表すような表現工夫が個人的にとても好みな為、凄く続きが気になります。皆様の作品、全て見させていただきました。どれも面白くて大好きになりました！更新頑張って下さいね (2018年2月2日 19時) (レス) id: ba266bdcdc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みなららやん x他2人 | 作成日時：2018年2月1日 21時
