永遠 (ページ17)

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あの日から三か月ほど経った4月の初めの頃。

　千弦に連れられ急に外に出されたかと思うと、目の前には悟がいた。

「ぇ……あ、久しぶりね……？」

「ついてこい」

　そうぶっきらぼうに言うと、私の腕をつかみ引っ張った。
　そして、目の前に停まっている黒塗りの高級車に私を乗せる。

「どっ、こいくの!?」

「高専。東京のな」

　高専……。
　呪術高専!? しかも東京校!?
　なんで、私、まだ高校生じゃないのに。 ……そうだ千弦！千弦助けて！

「ちっ、千弦!!」

　精一杯の声で千弦に助けを求める。
　けれど千弦は私の想定していたものではない言葉を発した。

「A様！どうか御達者で！」

　千弦は深々と頭を下げた。
　どういうこと？千弦は知っている？でも私は何も言われてないのよ。

「待って！待ってよ！まだ行かないで!!」

　高専に何をしに行くの？まだ当主の仕事も鍛練も残っているのに。千弦はどうなるの？このまま一生のお別れ？もう家には帰れないの？
　まだ、聞きたいことがたくさんあるのに。

　そんな私の気持ちを無視して、車はどんどん進んでいく。

「千弦!!」

　窓から身を乗り出し叫んだが、きっと彼女には届いていないだろう。