検索窓
今日:34 hit、昨日:9 hit、合計:9,363 hit

ページ13

後ろから私と五条悟を呼ぶ声がしたけど、彼はそんなのお構いなしにどんどん走っていく。
 気が付けば屋敷を出て町の方にいた。


「あの、どこ行くの……ですか?」


 しどろもどろになりながら訪ねても返事が来ない。


「帰らないといけません。私はともかく、主役の五条様がいないと__」


 一生懸命に言葉をつなぐ私だったが、五条悟にさえぎられた。


「お前さ、それやめたら?」

「ぇ、それ?」

「言葉遣いや態度だよ。お前4歳とか5歳とかだろ? そんなガキんちょが丁寧にごあいさつとか気持ちわりいっつーの」

「でも私は鳴神家の当主だし、きちんとしないと」

「なんでお前なんだよ、親は?」

「三年くらい前に死んだわ、父も母も」


 そう言うと、五条悟は走っていた足を止める。私は反動で彼の背中にぶつかった。


「あの侍女のやつは?」

「千弦のこと? 千弦は私の一番の理解者ですよ。鍛練の合間に水を運んできてくれるし、悪いことをしてお部屋に閉じ込められてるときもご飯を持ってくれるもの」

「あー、もういい。お前んとこの事情はよく分かった」


 五条悟は頭を抱えた。


「鳴神に500年ぶりに五体満足の相伝が現れたっつーからどんなのかと思ってみたら、だいぶやべーな」


 そう小さく呟く。


「学校は?」

「がっこう……?」

「は!? 学校すら知らねーのかよ」

「今日、外に初めて出たので」

「まじかよ」


 五条悟は少し考える素振りをする。


「じゃあ俺がいいところに連れてってやる」



 ニヤリと笑った五条悟を見たこの瞬間を、私は一生忘れないだろう。

10→←8



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 落ち未定   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あわ | 作成日時:2023年12月3日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。