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カフェでいつものプレートとコーヒーを注文し、所持しているタブレットで次の任務内容を確認する。
今度は短期の任務が三つか……。いくら特級だからとはいえ、まだ学生の身分なんだからもう少し青春らしいことしたいのになー。でも19歳になって青春はおかしいのかな。
ぼやぼやと考えているとウェイターさんがコーヒーを先に持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
「プレートの方はもう少々お待ちくださいね」
コーヒーを手に取りなんとなく眺めていると、昔のことを思い出す。
ああ、このカフェは初めて悟に連れてきてもらったカフェだったな。
鳴神家はその昔、御三家にも並ぶほどの名家だったらしい。
相伝の術式が神から授かったものだったから。
けれどそれゆえ、なかなか相伝の術式を継いだ者が生まれてこなかった。生まれてきたとしても短命だったり病弱だったりと問題が多く、みるみるうちに鳴神家は衰退していった。
相伝の術式を継ぎ五体満足で生まれてきた私は、500年ぶりだと喜ばれた。
私は物心つく前から鍛練を強要された。
比喩ではなく実際に血を吐くような鬼の鍛練を、日が昇ってから沈むまで。来る日も来る日も私は外に出してもらえず、家の中で鍛練に明け暮れる日々だった。
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作者名:あわ | 作成日時:2023年12月3日 20時