好きだった人と、好きな人。【そらちぃ・エイジ】

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エ「はい」



差し出された手を
握る



そっと絡まる指は
私よりずっと大きかった。



エ「明日学校行かないでしょ？」



「・・うん」



手を引いてもらって
立ち上がり、お尻の砂を落とす



エ「じゃあ行きたいところ 考えて」


「・・・何？」



エ「デート」




・


引っ張られながら
連れて行かれて、着いたのは
ちょっと古めのアパート



エ「どうぞ」


どうやらここは
えいちゃんの部屋のよう。



中に入ると
あんまり物はなくて
綺麗に整頓されていた



エ「適当に、座って」



その言葉に
近くにあったクッションを抱いて
その場にしゃがんだ



エ「なんでそこ笑」

こっちおいで、



腕を強引に引っ張られて
倒れこんだのはえいちゃんのベッド



ほんのちょっとの香水と、
彼の体臭の匂いがする



「いい匂い」

エ「変態」



ペチっとおでこを叩かれた。




エ「俺お風呂はいってくんね」

私の髪の毛をかき混ぜて
立ち上がったえいちゃんは
リビングから出て行った。





「・・・・・・・はぁ」

寝返りを打って仰向けになると
天井に、染みを見つけた

私みたいだ

汚くて、醜くて。



じっとしていると
ほわっとそらの顔が浮かんできてしまって
また涙が出そうになる


「・・・・じゃあ、なんで」


なんで離れたのよ・・・もう

そらにはもう、会えない

会う資格も、会わせる顔もない。



「・・・・・・馬鹿すぎ」

自分が嫌いで嫌いで仕方がない。




隣に丸まっていたタオルケットを
ひっぱってきて、頭からかぶった

えいちゃんの香りに包まれながら
目を閉じる

だんだんと、意識が遠くなっていく気がした。

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