好きだった人と、好きな人。【そらちぃ・エイジ】

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「・・・・・・私っ、最低なことしたの・・」


そ「それでも好き」



あぁ、あなたって
どうしてそんなに優しいの



「私ね・・・えいちゃんにね、キスしたの」



そ「うん」




「えいちゃんね、高校の時ずっと好きだった人なの

もうずっと好きで、好きなまんま、会えなくなっちゃって

久しぶりに会えて、やっぱり好きって思っちゃった自分がいたの

そらが帰った後えいちゃんずっと寝てて

なんか、高校の時思い出しちゃって

そしたらね、気付いたらね、、、、、、」



嗚咽混じり、途切れ途切れ
聞き取れてるのかわからない
どうせなら聞こえてないと嬉しい
こんな最低な言葉たち。




「そしたらね、私ね・・・」



そ「もういいよ」



もういい、もう一回
耳元で聞こえるその声は
いつもと同じ、優しい声で






そ「それでもなんでもさ、



しょうがないじゃん、好きなんだから


嫌いになれないんだもん、
すっっっごく好きなんだもん、離したくないんだもん」





でも、だんだんに震えて聞こえるその声に
何も言えなくなる



そ「ねぇ、行かないでよ」





首筋に生暖かいものが伝う
それはきっと優しい優しい彼の涙。



そっと離された身体、
そらは俯いていて顔がしっかり見えない



右手がゆっくり伸びてきて
頭を撫でられる



くしゃくしゃとかき混ぜた後



優しく、耳元に移動する
耳周りをそっと撫でてから


するすると頬まで落ちる


その手はわずかに震えていて



はぁ、と1回息を吐いた、
彼の顔が近づいてくる



一瞬見えた頬には
細く筋が通っていて、キラリと光った



「・・・・っん」




何度も角度を変えて
離れてはくっついてを
繰り返す唇は、溶けそうな程熱い。

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