どうか君に、伝わりますように。(Tr×Ei) ページ4
俺たちは幼稚園の頃から一緒に居る。
そらやりっくん達よりも長い付き合いで
だからこそ、お互いの事も良く知ってる。
お互いの秘密だって知ってるし
隠し事は一切無し。
…けれど、一つだけ
えいちゃんに隠してる事があるんだ。
…それは…
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時刻は夜中の一時
そらもりっくんも早々に眠りに就いてしまって
えいちゃんはリビングで明日出す動画の編集中。
毎日遅くまで頑張ってるの知ってるから
せめて何かしてあげたいな…って思う。
何をしたら喜んでくれるかな…
長い付き合いなのに知らないや。
ソファの上でで悩んで居たら、えいちゃんが隣に座ってきた。
「えいちゃん、編集は?」
『さっき終わった』
「そっか」
『それより……さっきから何考え事してたの?』
「え、何で分かったの?」
『顔見れば分かるよ』
「普通にしてたつもりだったのに」
『俺ら何年の付き合いだと思ってんの』
“みっくんのことなら何だって解るんだよ?”
なんて、得意気な笑みを見せるえいちゃん。
…いつもそうだ。
えいちゃんは優しくて
俺より大人で
余裕だってあって
周りや友達のちょっとした変化にも直ぐに気づく。
もしかしたら
今までの俺の気持ちにも気づいてるかもしれない。
それを試したくて、業と意地悪に聞いてみた。
「じゃあさ、もう一つ…俺が今考えてる事わかる?」
『え?』
「それこそが、悩みの原因なんだけど…わかる?当ててみて?」
『良いよ?もし当たったらご褒美ね』
「分かった」
俺の目を真っ直ぐ見つめるえいちゃん。
負けじと俺も見つめ返した。
どうか伝わりますように…という願いを込めて。
ねえ、えいちゃん
…俺ね?幼稚園の頃からずっと
君の事が好きだったんだよ?
END
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作者名:くうぉりしぴる | 作成日時:2019年8月16日 12時