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『言っとくけど、こっちは証拠残ってっから。警察に通報しようとしても無駄だから。
行こ、えいちゃん』
俺の手を優しく引いて、歩きだすそら。
無事に車まで戻り、家へ到着。
りっくんとみっくんが部屋へと戻り、車の中には俺とそらの二人きり。
『…えいちゃん』
抱き締める腕の力は優しくて
『ごめんな。怖かったよな…』
話す声は、凄く申し訳なさそう…かと思えば
『何もされなくて、本当に良かった…』
今にも泣きそうに喋るから
不覚にも凄く可愛いと思った。
「そら…俺は大丈夫だから」
そらの背中に腕を回して
肩に顔を埋める。
「さっきのそら、すげぇ男らしかった」
『…かっこ良かった?』
「ん…かっこ良かったよ?」
抱き締める腕の力が、強くなった。
『なあ、えいちゃん…何で俺があんな必死だったか分かる?』
「それは、大事な親友でありメンバーだからでしょ?」
『……確かにそうだけど、一つ足りないかな』
「…何?」
『鈍感』
「そら……?」
急に身体が離れ
真剣な表情で俺を見つめるそら。
『俺、男だからさ……好きなヤツの事を守りたいと思うのは当然じゃん』
その言葉を聞いて、顔が熱くなった。
『えいちゃん、顔真っ赤』
「誰のせいだよ…ばか」
『あのさ、そんな反応されたら…俺、勘違いしちゃうよ?お前も俺と同じ気持ちだって、勝手に解釈しちゃうから…』
「そら」
『お前の口から、聞かせて欲しい』
本当は
小学生の時に出逢ってからずっと
そらの事を想ってきた。
だから今、同じ気持ちなんだって知れて
凄く嬉しかった。
返事の代わりに
唇に口づけた。
『えいちゃん』
「これで分かってくれた?」
そして今度は
そらの方からキスされて
角度を変えて何度も繰り返される。
『何か、ヤバイね』
「何が?」
『今えいちゃん女装したままだから、本当に女犯してるみたいで興奮する』
「え、まさか…此処ですんの」
『ダメ?』
「…変態」
『そういう俺も好きでしょ?』
なんて、最高にえろい笑みでそんな事言われたら
断れないどころか、欲しくて堪らなくなる。
そんな俺こそ、マジで変態なのかも。
その後は
想像にお任せするけど
腰を痛めた事と
りっくんにこっぴどく怒られた事は言うまでもない。
END
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作者名:くうぉりしぴる | 作成日時:2019年8月16日 12時