“好き”が溢れる。(Tr×Ei) ページ11
『みっくんてさ…手、すげぇ綺麗だよね』
俺の1番のチャームポイントは眉毛だけど
えいちゃんがこうしていつも誉めてくれるから、自分の中で、手が2番目のチャームポイントになった。
「えいちゃんは、髪の毛凄く綺麗だね」
いつも誉めてくれる手で頭に触れて、傷みを知らないほどに綺麗でサラサラな髪の毛を掬う。
『みっくん本当、俺の髪の毛好きだよね』
「だって気持ちよくない?」
『触り心地がって事?』
「うん。気持ちよくて良い匂いするから好き」
『…そっか。飽きないの?』
「うん。いつまでも触ってたいもん」
『…そう』
気のせいかな
顔が心なしか紅く染まってるような…そんな気がして
今度は頬に触れた。
『…っ!?』
えいちゃんの肩がぴくりと跳ねる。
「…顔、熱いね」
『お前の体温があったかいだけだろ』
「いや、でも…顔真っ赤だよ?」
『…っ』
「熱でもあるのかな?」
えいちゃんの、目までかかる前髪を上げて
自分の額を彼の額にくっつけた。
『ちょっ、待っ…』
「…やっぱり熱い」
『……っ』
「ねえ、何で目合わせてくんないの」
『……』
「こっち見て?」
『……や、だ』
「…何で?」
『今俺、めっちゃぶすな顔してるもん』
「えいちゃんはいつだって可愛いじゃん」
『な、っ!?』
「だから、俺の方見て、ね?」
えいちゃんがゆっくり顔を上げると
さっきよりも真っ赤になっていて
『……みっくん……狡すぎ』
「えいちゃん」
そして俺にしがみつくように抱きついて
肩に顔を埋める。
『そんなん言われたらさ………ドキドキするじゃん…』
ああもう、可愛くて堪らない。
「もっとドキドキして良いんだよ?」
『みっく…』
「俺の事、もっと意識して」
『……もう、してる』
「俺の事、もっと好きになって?」
『……っ』
「えいちゃんのこと、もっと夢中にさせてあげる」
『……どこでそんな台詞覚えて来たんだよ……まったく』
「ね、えいちゃん」
『…なに?』
唇に指で触れ、なぞって
「…キス、していい?」
そう尋ねれば
呆れたような笑みを見せて
『そういうことは、聞いてからするものじゃないんだよ』
「聞かないと解らないじゃん」
『聞かなくても、雰囲気で解るでしょ?』
彼の瞳が、真っ直ぐ俺を見つめ
…そして、ゆっくりと閉じられる。
…鈍感な俺でも解る合図。
頬を両手で包んで
唇にくちづけた。
「えいちゃん……好き、大好き」
『……俺もだよ、ばか』
END
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作者名:くうぉりしぴる | 作成日時:2019年8月16日 12時