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リ「じゃあね!また遊びに来て!」



『うん!ばいばい!』




夏なのに、辺りが真っ暗になるまで私たちは話して
いた。


りっくんの家を出て、しばらく田んぼのあぜ道を3人で歩く。



まん丸な月が、明かりのない道を照らしてくれている。



ぽつぽつと、たわいもない話をしながら、ゆっくりと歩いた。



ツ「んじゃ、俺家こっちだから。またね」




交差点でみっくんがひらりと手を振った。



背中を見て、やっぱみっくん大人になったよな〜と改めて思う。



そ「今日はありがとな〜」





そらもひらひらと手を振った。



砂利道を歩く音が2人の間を通っている。



多分、そらは私に気使ってるんだろう。


長年一緒にいるから、少しくらい、そらの考えていることはわかる。




そ「ねえ、A?」



『うん?』



そ「Aはもう、絶対大学行く!って決めてるの?」




チクリ。





『な、なんで?前から、言ってるじゃん。大学受験するっ、てさ。』





自分に言い聞かせるようにそう言った。


中途半端な自分を打破するように、縛りつけるように、暗示するように、言った。






そ「まだ、迷ってたりしないの?」




『、、、』






そらには、全部お見通しかな。



眉毛を下げて、力無さそうに笑ってみた。


そらにはわかるでしょ?って、心のどこかでは誰かの助けを求めてたのかもしれない。






そ「やっぱ、ね。

Aは結構芯が強い子だから、聞かれた時はハキハキと答えるでしょ。

でもさっきだいぶきょどってたから(笑)」





やっぱり私が困った顔で笑うと、そらは続けて言った。





そ「俺にはわかるよ。」







目頭が熱くなる。


自分はなんてカッコ悪いんだろうって思う。


私は顔を上げることができなかった。



そらは黙って私の歩くペースに合わせてくれた。







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サクラ(プロフ) - シロさん» どういたしまして!作者さんにも生活があるので焦らずゆっくりで大丈夫ですよ!新生活色々とお疲れ様です! (2019年4月17日 22時) (レス) id: 55e0709259 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - サクラさん» わーんありがとうございます(;_;)新生活が始まって想像以上にバタバタしているため更新遅れがちですが、今後もよろしくお願い致します。頑張ります! (2019年4月10日 23時) (レス) id: ca73ee35df (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!!次の展開楽しみですー!頑張ってください!応援してますー! (2019年4月6日 21時) (レス) id: 55e0709259 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - ありすさん» 大好きだなんて超絶嬉しいです(;_;)更新頑張りますので、これからもよろしくお願い致します! (2019年3月22日 21時) (レス) id: f7c21e5b1c (このIDを非表示/違反報告)
ありす - このお話大好きです!お忙しいと思いますが応援してます! (2019年3月22日 19時) (レス) id: e597eae0d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロ | 作成日時:2019年3月11日 22時

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