15 ページ17
.
『エイジくんも何か考えごとでも？』
少し意味深な発言に聞こえて、私はすかさず聞いてみた。
エイジくんはふっと笑ってこっちを見た。
ついこの間知り合ったとは思えないくらい、柔らかい笑顔を見せてくれた。
エ「別に俺は何も。」
『なんだあ、同士かと思ったのに』
エイジくんのこと、何も知らない。
苗字は何なのか。
どこに住んでいるのか。
卒業後は何をするのか。
なんであの3人と仲良くなったのか。
そして、さらさらと目にかかる髪はなんでそんなに鮮やかな赤色なのか。
「なんで？」
心にわき出てきた疑問が、思わず口に出てしまった。
私は慌てて口を手で塞ぐ。
エ「え？何が？」
『い、いや、なんで髪の毛赤いのかなって』
エ「ああ、これ。」
エイジくんがさらさらな前髪を人差し指でちょいちょいといじる。
染めたての赤。
いや、むしろ地毛なのか？
そんなことないか。
エ「夏休み限定で。」
『いやいや。この前チラシ拾ってくれた時、まだ学校あったよね？』
エ「フライングした(笑)」
なーんだ、と思った。
なにがなーんだ、なのかは分からないけど、ちゃんとした高校生だと思った。
初めて見た時は、なにか神秘的な、他の高校生とは違う雰囲気を感じ取ったけど、エイジくんも夏休みに髪を染めちゃうような、ちゃんとした高校生だ。
『なんで赤？』
エ「いやぁ、人と被るのってやじゃん？」
今度は私がふーんと言った。
「ま、それだけじゃないけど。」
こちらも向かず、地面を見ながらふっと笑うエイジくん。
この人はよく意味深な発言をするなあ、と思う。
ちらりと見ると、エイジくんも目を合わせてくる。
「知りたい？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「YouTuber」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サクラ(プロフ) - シロさん» どういたしまして！作者さんにも生活があるので焦らずゆっくりで大丈夫ですよ！新生活色々とお疲れ様です！ (2019年4月17日 22時) (
レス) id: 55e0709259 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - サクラさん» わーんありがとうございます（；_；）新生活が始まって想像以上にバタバタしているため更新遅れがちですが、今後もよろしくお願い致します。頑張ります！ (2019年4月10日 23時) (レス) id: ca73ee35df (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます！！次の展開楽しみですー！頑張ってください！応援してますー！ (2019年4月6日 21時) (レス) id: 55e0709259 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - ありすさん» 大好きだなんて超絶嬉しいです（；_；）更新頑張りますので、これからもよろしくお願い致します！ (2019年3月22日 21時) (レス) id: f7c21e5b1c (このIDを非表示/違反報告)
ありす - このお話大好きです！お忙しいと思いますが応援してます！ (2019年3月22日 19時) (レス) id: e597eae0d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シロ | 作成日時：2019年3月11日 22時
