episode32 ページ32
「ホワイトルームって知ってるか？」
『...知らない、かな』
「ホワイトルーム生だったんだ。知らないはずないだろ」
1歩、また1歩、私に近づきながら綾小路さんがそう言う。
じーっとこちらを見下ろしていてその視線は相変わらず鋭い。
『なんのことかさっぱり分からないって』
「演技が上手くても嘘をつくのは下手なんだな。目が泳いでるぞ」
『うそなんかついてない！...それに私はほわいとるーむせい？がなにかも分からない』
「とぼけるな」
その一言が聞こえたと同時にお腹から鈍い音がした。
痛みで思わず倒れ込んでしまった。
『ぃっ…た。……ぁ。…っいきなりどういうつもり？..』
ギロりと綾小路さんを睨むが動じない。
綾小路さんはその場でしゃがんで私に顔を近づけた。
「どうして避けなかった」
『不意打ちであんなの避けられるはずないじゃん…！！っ絶対ピアノと書道以外になにか習ってたでしょ！！』
なるべく明るく、場の空気が重くならないようにそう言ったが
そんなの関係ないと言わんばかりに綾小路さんは立ち上がり
「もう一度行くぞ」
と、次は蹴りの姿勢を作った。
『ぁ…っえ、冗談でしょ？』
笑いながらそう聞くが綾小路さんは真剣だった。
動作が止まることなく綾小路さんが足を引いた。
『ひっ、ぁ、や、やめて、おねがい、やめて…っ...』
蹴られる。
そう思った私は手で頭を守りその場で丸くなった。
しかし痛みは来ない。
かわりに綾小路さんの声が聞こえた。
「…なんてな、冗談だ。悪かったな」
『…冗談なわけないじゃん。目がガチだった』
ちらりと綾小路さんを見るとこちらに手を伸ばしていた。
私はその手を掴まずに自分でたつ。
「Aがそう思うならそうなんじゃないか」
『っふざけるのも大概にして。...っ何がしたかったの？』
めいいっぱい睨みつけるとここでやっと綾小路さんは少しだが目線をずらした。
「…試しただけだ」
『試すって何を…』
「記憶喪失の話が本当かどうか試したんだがどうやら本当だったようだ。」
もう私への興味は薄れたのだろうか。
自販機に目を向けて綾小路さんが答えた。
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みき - 更新嬉しいです！ (1月15日 18時) (
レス) id: c7f0ee6997 (このIDを非表示/違反報告)
おたく(プロフ) - めちゃくちゃおもろいです！更新楽しみにしてます(^-^) (2023年4月1日 16時) (レス) @page42 id: 2be13f9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - とても面白かったです。次回の話も楽しみにしています。 (2023年2月1日 16時) (レス) @page40 id: 34308661a8 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 超絶面白いです。まじありがとうございます。更新頑張ってください！！ (2023年1月29日 11時) (レス) @page40 id: d9d34f6376 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 面白かったです。更新を頑張ってください!続きを楽しみにしています。 (2022年12月18日 9時) (レス) @page27 id: 2c1bfd1fb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほかほかごはん | 作成日時：2022年10月17日 2時
