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episode28 ページ28

「そういえばどこに行くの?さっきははぐらかされたけれど付き合ってあげてるんだから行先くらい知る権利があると思うわ。」


『ここよ』



そう言って私は人気がない場所で止まった。




そこには1人、人を待っている様子で男の人が立っていた。



「遅かったなA」



『...申し訳ございません』



振り向きざまに学さんがそう言った。
声色で少し機嫌が悪いのがわかる。



私は慌てて謝罪をした。




鈴音はというと


「兄…さん…?」



と戸惑ったように呟いた。





「なぜ鈴音がいる?」




鈴音に気づいた学さんがこちらを睨みつける。



『在学中は外との連絡が制限されていると聞いていたので…兄妹ですしせっかくなら会わせようかと…』



''あくまで''気を使った体で行く。



けれど学さんは


「帰らせろ」


と一言冷たく放った。




「兄さん!」



「帰れ」



「兄さん!!」



「帰れと言っているだろう」




「兄さん…私ここまで来ました。」




「...あぁ、ここまで追ってくるとはな」




「もう、兄さんの知ってる頃のダメな私とは違います。追いつくために来ました」



ようやく学さんが鈴音と会話を交わした。


しばらく二人の会話を聞いていると僅かだが自販機の方から音が聞こえた。




『(...誰かいる)』





「(誰だ?堀北と…にいさん?Aもいるな)」



チラッと自販機の方を見ると茶色い髪の毛が一瞬見えた。



「追いつく、か。お前は今もまだ自分の欠点に気づいていない。この学校を選んだのは失敗だったな」




「すぐにAクラスに上がってみせます!そうしたら…!!」



「無理だ」


「でもっ、」



「聞き分けのない妹だ」



学さんが鈴音の手をとったと思いきやそのまま手を壁に押し付けた。



「っ…」


痛みのせいだろうか、鈴音が少し顔を歪めた。



『鈴音…!』



「お前が鈴音を呼んだんだ。黙って見ていろ」



「…私は…大丈夫よ」



『でも、』



「Dクラスに振り分けられた妹。恥をかくのはこの私だ。今すぐこの学園を去れ」



「兄さん、私は…「お前には上を目指す力も資格もない。」っ」




「それを知れ」

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みき - 更新嬉しいです! (1月15日 18時) (レス) id: c7f0ee6997 (このIDを非表示/違反報告)
おたく(プロフ) - めちゃくちゃおもろいです!更新楽しみにしてます(^-^) (2023年4月1日 16時) (レス) @page42 id: 2be13f9ec9 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - とても面白かったです。次回の話も楽しみにしています。 (2023年2月1日 16時) (レス) @page40 id: 34308661a8 (このIDを非表示/違反報告)
チヒロ(プロフ) - 超絶面白いです。まじありがとうございます。更新頑張ってください!! (2023年1月29日 11時) (レス) @page40 id: d9d34f6376 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - 面白かったです。更新を頑張ってください!続きを楽しみにしています。 (2022年12月18日 9時) (レス) @page27 id: 2c1bfd1fb1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2022年10月17日 2時

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