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「歩けそう?」
『…まかせてください!』
清水先輩の質問にそう答える。
しかし、清水先輩は信じていないようでこちらを見つめてきた。
「本当のこと言って」
『ごめんなさい、激痛で無理です!!』
この先輩たちに嘘をつくのは無理そうだ。
素直に答えれば、清水先輩は控えめに笑った。
笑った顔も美しい。
「ふふ、素直でよろしい。澤村、ちょっと田中借りるね。田中、Aちゃん運んであげて」
「うっス!」
「成田がまだウォーミングアップしてっから、ゆっくりでいいぞー」
「はい!!!!」
清水先輩の言葉に、田中先輩が勢いよく走ってくる。
そして、そのまま私を持ち上げようと、膝の下に手を入れた。
『いや、でも、私、おも…ひっっっ』
「……ん???!お前かっるいな!?てか、えっ、細!!!ちゃんと飯食ってんのか!?!?」
横抱きの状態で上下に揺らされる。
サラッと、お姫様抱っこされたし、サラッと軽いって言われたし、田中先輩女子の扱いに慣れてる…?
いやでも、先輩呼びされただけで赤面してた人が慣れてるわけ……
それにそんなキャラじゃなさそうだし…(失礼)
じゃあこの状況は一体……??
もしかしてさっきの赤面は私に対してじゃなかった!?
もう田中先輩がわかんない!!!!
『た、食べてます!!今日のお昼だってお弁当にパンに牛乳とヨーグルト、そんでデザートに……って何笑ってるんですか!?』
とりあえず照れ隠しに、今日のお昼食べた物を数えながら言っていると、田中先輩が私を見ながら笑いだした。
「いや食いすぎだろ!!笑
でもまあそんだけ食わねぇとあんなパワーつかないもんな!」
ガッハッハッ、と笑う田中先輩。
それにつられて、私も気づけば笑顔になっていた。
「田中、そこで下ろして」
「は、はいっス!!!」
『わざわざありがとうございますっ田中先輩…!』
「……ッス」
『固まった…』
「気にしないでいいよ。はい、足出して」
この後清水先輩が丁寧に応急処置してくれた。
結局田中先輩の事はよく分からなかった。
「センパイッテヨバレタ…」
「田中その調子でよく普通に抱っこできたな…」
「ん?……あぁ!!うわっ!!心配が勝って全然意識してなかった…!!つか何も覚えてねぇ!!俺変な事してなかったか!?!?」
「…お前はそういう奴だったわ」
田中はただの良い奴だった。尚、女子慣れはしていない。
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ほかほかごはん(プロフ) - 五十鈴さん» コメントありがとうございます!更新させていただきました😌 (4月21日 23時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
五十鈴 - 更新待ってます✨ (4月20日 9時) (レス) @page36 id: 8d4549b14c (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ssatsuki592@gmail.comさん» コメントありがとうございます!嬉しい限りです🥹 (4月6日 20時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ssatsuki592@gmail.com(プロフ) - 続き楽しみにしてます!こんな感想書いてすみません! (4月5日 11時) (レス) @page20 id: 350087d17e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2024年3月7日 23時