Lv.30_初登校 ページ31
……
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『イルマくん、さっき学校行きたくないって言おうとしたでしょ』
「な、なんで分かったの!?」
『普通わかるって笑』
「そうかな〜…。Aさ……ちゃんはどうなの?」
『私は行きたい…かな。香水もつけてるから目立たなきゃバレることもないだろうし魔界で生きるために知識とかはつけときたいし…』
「……」
『……えどうしたの?』
黙ってしまったイルマくんが心配になって顔をのぞき込むとボソッと私の名前を呟いたのが聞こえた。
「Aちゃん…」
『う、うん?』
「頭良さそうッ!!!」
真剣な顔して何言ってるんだこの子。
可愛いかよ。
可愛いだよ。
その後も色々話しているとこれまた立派なお城のようなものが見えてきた。
『もしかしてあれが…』
「うん。僕らが通う学校だよ…」
「「「血と肉残さず啜れー!黒き翼__」」」
『「ひっっ」』
突然聞こえる物騒な歌に2人でびっくりする。
怖すぎて思わず手を握ってしまったのは許して欲しい。
上を見てみるとたくさんの悪魔が飛びながら学校に向かっていた。
『……やっぱりちょっと行きたくないかも』
「僕と一緒に頑張ろう…」
『がんばる…』
そう返事をして思わず繋いでしまった手を離そうとするとイルマくんが私の手をぎゅっと握りしめた。
『....................ん?????』
危ない、心臓が爆発するところだった。
この子可愛いだけじゃないわ。
無自覚ひとたらしだわ。
「あ、えっと、その!ぼ、僕今、すごく怖くて…Aちゃんと手繋いでたら安心できるから…繋いでちゃダメ、かな…?」
うるうるな目でそんなこと言われたら断れる訳もなく。
『私も怖かったから…嬉しい』
と返事をした。
余裕そうに返しているが内心興奮が凄かった。
その後、私たちは恐怖を紛らすようにとにかく話し続けた。
『そ、そういえば!私も鈴木なんだよね!』
「そうなの!?一緒だね!」
『うん!なんか本当の兄弟みたいで勝手に嬉しくなっちゃった』
「僕も嬉しいな〜…!」
『えへへ。あ、そういえばイルマくんってその髪染めてるの?』
「えっ?!違うよ…!どうして?」
『えっ。だって日本人って地毛ほとんど黒とか……ちゃい…………あ、』
ここでふと思った。
ここはただの魔界じゃない。
2次元だ。
3次元の常識なんて通用しない。
私は再び頭を唸らせた。
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ユノン - ほかほかごはんさん» オチはダリ先生がいいです! (2023年1月30日 12時) (レス) @page42 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ユノンさん» ユノンさんコメントありがとうございます。更新いたしましたのでお手隙の際に是非読んでいたたけるとうれしいです😌 (2023年1月27日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きが気になる! (2023年1月27日 8時) (レス) @page19 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ルーミアさん» ルーミアさんコメントありがとうございます✊参考にさせていただきます!ありがとうございます😌 (2023年1月25日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - もち明太子チーズさん» もち明太子チーズさんコメントありがとうございます☺️それは大変ですね…🙄できるだけ更新させていただきます…! (2023年1月25日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2023年1月21日 19時