弐・お義父さんが無惨様とか勘弁してほしい【鬼滅の刃】

丗壱 ページ31

「私が悪かった…頼む…起きてくれ…」

近くからそんな弱々しい声が聞こえてくる。
この声は無惨様？

どうしたのだろうか。


『んー…おとうさんおはよ…』


ダルい体を起こしながらそう言うと、無惨様は少し驚いたあとガバッと抱きついてきた。


えなにいけめんすぎて無理なんだがヤバすぎて気失うかと思った。


『まって圧迫されて死にそうなので離してください』


まあ、圧迫死よりも尊死しそうなんだけどな。
とりあえず離してくれないとどのみち死ぬ。


「すまない。体調は大丈夫か？」

無惨様は名残惜しそうに私から体を離すと、膝の上に載せてくれ、そう言いながら髪を梳かしてくれた。

……これがまたイイ。
アニメとか漫画では想像つかんくらい優しい手つきで器用に髪をセットしてくれる。

そして無惨様の膝の上まじ心地よすぎる。


『体調は大丈夫。それよりも随分長く寝てた気がする…』


「三日三晩眠っていたぞ」

『…まじか』


どおりで体がだるいわけだ。
早く体動かしたいなあ。

そう思いつつも髪を触られるのが気持ちよくてまた寝そうになった。


というか寝た。



「起きろ。朝飯の時間だ」


髪の毛のセットが終わったのか優しく起こされる。

次こそ目を覚ますと、無惨様はちゅっとおでこに口をつけてから鳴女、と呟いた。


これ毎日やられてるけどほんとに慣れない。
いや、発狂しないようになったから多少は慣れたのかもしれない。

でもまあこの生活自体には慣れてきた。多分。

でもさ！ほんとにさ！推しのこんな過激なスキンシップなんかさ！慣れるわけないじゃん！？！？


心の中で叫んでいると、琵琶の音がなり食卓のような場所に飛ばされた。


椅子に座られていて、大きな机の上には美味しそうなオムライスがある。

そして周りには上弦の鬼が集結していた。


いつも思うがこのご飯はどこから来てるんだろう。
そしていつもこの時間みんな集まってくれるけど意外と暇なのだろうか。


とりあえずお腹がすいたので有難く机の上のオムライスに口をつけた。


にしてもこの人達…

『私がいない間に沢山の人おそったでしょ。血の匂いが凄いんだけど』

ジロっと上弦の皆を睨みつける。
さっきまでこっちをじーっと見ていたはずなのに皆露骨に目を逸らした。


鬼の最強共それでいいのか…。


私は深くため息をついた。

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