廿漆 ページ27
ちなみにさっきまで威勢が良かったノスケは私の肩の上で身を小さくしてガクブル震えている。
怖がらせてごめんねまじで。
「言っておくが…私は…頭ごなしに怒っている訳では無い…これは…Aの為に…言っている…」
私が本気で怖がっているのを察したのか、尋常な程に溢れ出ていた殺気を引っ込めて黒死牟が言った。
『ごめんなさい…』
素直に謝れば黒死牟は頭を撫でて許してくれた。
「無惨様にも…謝っておけ…」
『うん。帰ったら謝る…!』
緊張感がいきなり解けたからか、疲れが一気に来たからか、分からないが、私はここで気を失うように眠った。
……
……
……
帰宅後
猗窩座side
『ねえ、謝りなよ』
無惨様を真っ直ぐ見つめてAが言った。
Aは今、ガチ切れ中だった。
その原因(と言っていいのか分からないが)は無惨様だった。
こうなったらあの無惨様でさえ手をつけられない。
唯一止められるとしたら黒死牟だが今日は無理そうだ。
Aは「人間を食べないで!」とよく怒ることはあるが、こんな風にキレたりしない。というか無惨様に向かってキレるなど、鬼にもできないのだから人間ごときにできるわけが無い。
自分の大切な人や家族の事になると話は別で、本気で怒った事は1度だけあったが、
こんな風に、明確に無惨様に怒りをぶつけるAは初めてで誰もどうする事は出来なかった。
下手に手を出せば自分たちに飛び火しそうだ。
というかAにこんな殺気を放てるとは…
こんなの特訓中でも見た事がない。
人間如きに怖がっているわけではない。ただ、いつもと雰囲気が違いすぎて驚いているだけだ。
そもそもなぜこうなったかと言うと、Aのお迎えから戻ってきた俺たちに無惨様が、
まだ青い彼岸花は見つからないのか
と理不尽にキレて俺の首と黒死牟の首を飛ばしたからだった。
だが俺は知っている。
無惨様は青い彼岸花が見つからないから苛立っているのではなく
とっくの昔に全滅させたはずの忌々しい日の呼吸をAが使っていたから苛立っているのだと。
Aを迎えに行った時、黒死牟がAを叱った。
日の呼吸を使うなと。
「視界は無惨様が共有している。次使っているところが見つかればタダでは済まない。お前は私と無惨様が日の呼吸を嫌っているのを知っているはずだ。」
とAに向かって珍しく怒っていたのをふと思い出した。
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虹心(プロフ) - コメント失礼します!とっても面白いこの小説が大好きです!続き楽しみにしてます! (2月5日 15時) (レス) id: 62f09173e9 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ツバキさん» コメントありがとうございます!更新おまたせしました、全然完結じゃないです!😹亀更新ですがこれからもよろしくお願いします😚 (1月17日 17時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - lokilokiさん» コメントありがとうございます!プレイリストがなにか存じ上げませんがありがとうございます笑。今後ともよろしくです🫶 (1月17日 17時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ツバキ(プロフ) - 面白すぎて一気見ました!!さいこうです!連載状況が完結となっていますが、これで完結なのでしょうか?個人的には続きが気になるので更新楽しみにしてます! (12月31日 17時) (レス) @page13 id: 340cc653a8 (このIDを非表示/違反報告)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 20時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2023年3月17日 0時