Lv.76_飛行試験 ページ26
「飛行試験を開始する!翼を広げろ!」
「ちょ、まっ」
「位置について、用意」
『ちょ…』
__スタート!!!
その言葉を合図に皆がバサバサと飛んでいく。
私はカルエゴ先生の隣にいたので巻き込まれることはなかったがイルマくんが巻き込まれて落ちそうになる。
私は慌てて駆け寄り、イルマくんを掴んだ。
「わっ、とっと……ありがとうAちゃん…!」
『いいえ!それよりやっと喋れたね……ってえええ?!?』
「オイ、早く行け」
せっかく助けたのにカルエゴ先生がイルマくんを蹴り飛ばして突き落としてしまった。
カルエゴさんはちょっとスッキリした顔をしていた。
『か、カルエゴ先生…なんて事を…!』
「理事長のお孫さんだろうが贔屓する訳にはいかんだろ。貴様は人間だから別だが。」
そうだ、イルマくんが人間だということはカルエゴ先生も知らないんだった。
『羽が不調とかで飛べなかったらどうするんですか……!』
「その時はその時だな」
カツカツと中央へ戻っていくカルエゴ先生。
その高さから落ちたら確実にしんでしまう。
どうやって助けようか。
考えている時間もあまりない。
ここでふと思った。
イルマくんは主人公だ。
これが初試験ということはおそらく原作に入っている。
ここで死ぬことはまずまず無いのでは?と。
私は頭をフル回転させてともちゃんの言葉を必死に思い出す。
飛行試験…
羽…
イルマくん…
__「最初の試験から鬼畜なんだよ!」
__「崖から落とされてさ〜」
__『主人公は羽がないんだよね?』
__「そうそう!でもねさすが主人公って感じで…」
「なんと、最後の最後、鳥に運ばれて戻ってくるんだよ!笑」
これだ。
大丈夫、イルマくんは死なない。
数々の修羅場を乗り越えてきた主人公。
物語がこれからというところで死ぬわけが無い。
……きっと大丈夫。
自分に言い聞かせるように言った。
私は安心してカルエゴ先生の後ろをついて行く。
『イルマくんが戻ってこなかったら責任とって下さいね』
「ふん。それより貴様」
振り向いてカルエゴ先生が言った。
私はその言葉にムッとした。
『……貴様じゃないです』
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ねこまくん - この作品大好きです!!尊すぎて夢主ちゃんが心臓破裂する前に心臓が破裂しそうです………! (9月17日 7時) (レス) @page15 id: 18b89fe2f6 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - にゃーちゃんさん» にゃーちゃんさんコメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいです🥺今後もダリ先生との絡み増やしていくつもり(というか下書きには既にある)ので乞うご期待下さい🫢 (2023年2月8日 22時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します!面白くて、一話から一気読みしてしまいました!個人的にダリ先生の絡みが今のところ好きです…!教師陣大好きなので、他の人との絡みも楽しみにしてます!更新頑張って下さい! (2023年2月3日 22時) (レス) @page14 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2023年2月2日 0時