転生したら鬼と家族になりました【鬼滅の刃】

弐 ページ2

そして次の日



母の荷物と自分の荷物を持って数十分は歩いた。


うちは元々裕福ではなかったため引越しセンターを利用する余裕はない。


そもそもここ大正時代だから引越センターがあるか分からんが。




『あと少しだから頑張って〜♬︎♡』


とかなんとか言ってる母の声が聞こえてきたけど聞かなかったことにする。頑張って〜はあとじゃないんだよ。


手伝えやごら。こちとらぴちぴちの6歳児やぞ。



心の中で文句を言いつつ私はひたすら進み続けた。



私、もしかしなくても良い子供なのでは。



...



...



...





夜だからか足元が見えなくて滑りやすい。
しかも前日は雨で地面がぬかるんでいた。



最悪以外の言葉が見つからない。
この数十分で何回つまづいたのだろう。


そんなことを考えてるうちにまたつまづいてしまった。



いや滑ったといった方が正しいのか？
ってそんな事考えてる暇はない。
これ絶対尻もち着くやつだ…



痛みに備えて目を瞑る。



けれどいつまでだっても痛みが来ない。
てかなんか私浮いてる？
もしやお母さんが助けてくれた？





恐る恐る目を開けてみる。



目の前にはマイケル・ジャクソンに似た男の人の顔がそこにはあった。





そう。最初に目に入ったのは目の前にある立派な建物でも
お母さんの引きつった顔でも散らばった荷物でもない。




紛れもなく私の推し、無惨様だったのだ。




...え、本物？



まじの無惨様？



えかっこよ。





えなに面良すぎじゃね。




てかいま推しに抱っこされてる...？




うわかっこいい。



……ってそんな事言ってる場合じゃない。



なんで私は推しにお姫様抱っこされてんの？？



大正時代にタイムスリップしたんじゃなくてまさかの鬼滅ワールドに転生？？




もしかして、もしかしなくても今日が命日。




鬼滅ワールドに転生するのはいいとして初めてあったキャラが巨悪の無惨様。



絶対命日。


だから言ったじゃん私鬼滅ワールドに転生したらすぐ死ぬって(※第壱話参照)


まだ今世で6年しか生きてないんだ勘弁してくれ。




てか驚きで無惨様の名前言っちゃったし。



気づかれてないからセーフなのか？



無惨様の顔を恐る恐る見ると相変わらず胡散臭い笑顔。




気づかれてないみたい。





『(よかった...)』




そう安心したのも一瞬。



｢私の名は無惨では無く月彦だよ。以後お見知りおきを｣


と満面の笑みで言われた。





お母さん、今までありがとう。

参→←どうも、モブです。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す