元カノ (ページ3)

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結局、しつこいてつやを断り続けたら「わかった」と渋々諦めてくれた。

もし私と放課後2人で出かけたら彼女になんて言われるか…考えただけでも恐ろしい。

「あーあー、てつやくん落ち込んでる」

てつやが教室を出た後、友達が笑いながら私に近づいてきた。

教室にいた友達にさっきのが聞こえていたらしい。

「てつやくんって本当にA好きだよね」

「何言ってんの」

「だって、彼女のほうはてつやくん大好き～って感じだけど、てつやくん彼女よりAって感じやん」

「えぇ、そう？」

「Aはわからんかもしれんけど、周りからはそう見える」

言われてみれば、好きな人ができたらべた褒めするてつやの惚気を付き合ってから聞いたことない気がする。

「別れてからもずっとAのこと好きなんかなって思ってたよ」

「そんなわけないよ。あのときてつやも私のこと冷めてたし」

付き合っていた時のことはあんまり思い出したくない。

楽しくなかったとか、嫌なことがあったとか、そういうわけじゃないけれど。

「冷めてないでしょ、別れた次の日のてつやくん覚えてないん？」

「りょうから少し聞いたけど、その日休んじゃって知らなくて」

「あの日のてつやくんはほんっとやばかったよ！いつも元気なのに病人みたいに元気なくて…」

「あーー、次移動教室だから早く行こ！」

なぜか聞きたくなくて話を遮ってしまった。

あんまりいい思い出じゃないから。