【狼ゲーム】無気力少女の謎 (ページ6)

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ZERO-FIVESTORY. ページ6

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ソファに横になる女、Aに視線が集中する。

然し、幾ら経っても、まるで呼吸を止めたかのように少しも身動きしないその細い身体に

眼鏡をかけた赤い女が心配そうに顔を歪めた。

「さ、さっきの激痛で意識飛んだんちゃう……？」

「はっ、冗談だろ。絶対、寝てるだけだってぇ。

逆に、脊椎神経なんちゃらってヤツ、
もう一回くらえば起きるんじゃねー？」

ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべる餓鬼。

片手に棒付きキャンディを持っている為、

より一層、幼さが増して見えた。

そんな餓鬼は、人の不幸がそんなに好きなのか。

声を弾ませながら羊を期待したような目で見詰めた

然し、遊戯的な余裕を滲ませるその表情は、

次のメリーの言葉で強張ることになる。

「ば、罰は連帯責任。

あ、貴方達にも罰は作動させて頂きます！」

「いーーッ！？ま、まじで言ってんのかよ！」

「じ、冗談じゃねぇ……。おい、起きろッ！」

今の今まで自分は関係ないと素知らぬふりをしていた奴等だったが、"連帯責任"だと聞くや否や、

さっきの激痛は御免だと、

Aを起こす為に次々に立ち上がった。

切羽詰まった様子でソファに迫って行く。

自分が起きた時に、血相を変えた複数の人間が凄い剣幕で迫ってきたらある意味悪夢になりそうだが。

そんな事を思いながら行く先を眺めていると。

「まぁまぁ、落ち着いて～。

そんな勢いで起こしたら可哀想だよ」

穏やかな表情をしたリンタロウが立ちはだかった。

「ふざけないで！

また、作動されたら堪ったもんじゃないよ！」

「ほ、本当に意識吹っ飛んじゃいます……！」

カメラ片手の女と、

大量の目玉の髪飾りをつけた女が突っ張る。

然し、リンタロウは愛嬌のある微笑を浮かべるだけ

焦燥感が高まる奴等と反比例し、

リンタロウの静穏さは異様にも見えた。

まぁ、もともと、そういう性格の奴なんだろうが。

「僕に任せて」

暢んびりとAに近付いていくリンタロウ。

そして、顔を覗くようにしゃがみ込むと、

人形のようにほの白いその頬を両手で包み込んだ。

「起～き～て～」

一段と柔らかい声で呼び掛ける。

今今までの騒がしい喧騒の中でも起きなかったのに

その程度で起きるのかと疑わしげに思ったが。

Aの身体は小さくぴくりと動いた。