【狼ゲーム】無気力少女の謎 (ページ23)

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TWO-TWOSTORY. ページ23

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「さ、三階も出られそうな所はなかったわ……。

只、学校の教室みたいな部屋が有ったんだけど……

その部屋の黒板に、"君たちは本当の自分に気付いているか？"って書いてあったの」

本当の自分……？

主催者側からのメッセージだとすれば、

相当な意味を持つとは思うが良く分からない。

唐突に放たれたメッセージに、

頭を捻るメンバーを横目に

森は更に束になった紙を取り出した。

「あ、後、こんなものも落ちてたんやけど……」

遠目から見ても何なのかは分かる。

左上に貼られた写真に、添えられた説明文。

カルテか……。

それに一目散に飛びついたのは、

精神科医の米森だった。

「これは……、私の患者のカルテじゃないか！

何で、私のカルテがここに……。

私の病院から盗んだって事か！？」

青褪めてわなわなと震えるひ弱そうな身体。

つーっと冷や汗が垂れた顔は

恐怖に似た感情で歪んでいた。

それに申し訳無さそうな顔をしながら、

おずおずと再び口を開く森。

その話を要約すれば、

教室に置かれたとある机が悪戯されており、

そこの引き出しに入っていた寄せ書きに

陰湿な事が書かれていたらしい。

そして、出てきた人物名は"ユウヤ"。

どこかで聞いた事がある気がするのは、

良く聞く名前だからなのだろうか。

ごちゃごちゃし始めた頭の中を整理しようと試みる

しかし、謎ばかりで結局分からなかった。

考えが、何度も同じ道を低徊した揚句に、

"分からない"へ逢着するのは、何と虚しい事か。

思案している間にも、

どうやら、話は進んでいた様だった。

凶器になりそうなものが多い武器庫は

小島と土屋が夜通し見張ることになり、

その他のメンバーは個人個人で行動するらしい。

単体で行動するのは危険性は増すだろうが、

その方が私的にも有難い、気楽だ。

やっと一人になれる。

静かな場所へ行こうと

ふらっと立ち上がった私の身体に影が落とされた。