【狼ゲーム】無気力少女の謎 (ページ21)

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TWO-ZEROSTORY. ページ21

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「最初から疑問に思っていた。

お前に対するあいつの行動は

初対面同士にしては異様だ。

執着染みた優しさを感じる……。

……何か、あるんだろう？」

"執着染みた優しさ"。

それは、自分自身でも十分に実感していた。

ただ、その要因が何かを知るわけでもない。

増してや。

『……知るか。私だって"迷惑"している……』

優しさは、単に傍迷惑でしか無かった。

他人との関わりを絶ちたい筈なのに、

親切に手を差し出されると、

どうしてもそれが虚しくなってきてしまう。

もう失ってしまったものに縋ってしまう。

だからーー。

『ーー優しい奴は嫌いなんだ』

胸の中から最後の空気を出すように呟いた言葉。

口の中で自分にだけ言う程度のぼやきだったが、

静まった室内では酷く響いてしまった。

数秒、重苦しい沈黙が続いた。

それを破ったのは意外にも新村だった。

"やる"。

素っ気ない言葉で、放り投げられたもの。

反射でそれを受け止めれば、

手の平にひんやりとした冷たい質感が触れた。

元から高い訳でもない私の体温が段々と奪われていくのを感じながら、受け取ったそれを見据える。

……氷が入ったビニール袋。

「別にお前が思っている優しさじゃ無い」

まるで、捨て台詞の様に冷たく吐き捨てると、

ふいっと顔を背けて部屋を出て行ってしまった。

取り残された永井と私。

「痣を冷やせという事なんでしょうか……？」

『………………』

それしか無いと思うが。

これが優しさじゃないんだとすれば、

なんというのか知りたい。

情けは御免だと、

受け取った氷袋を捨てようとしたが、

永井に止められた為、

それを持って、また元いた部屋に集まる事になった