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sideオスマン
『初めまして、本日はどうかよろしくお願いいたします』
「･･･」
目の前で口角を上げて腰を曲げる女性。
正真正銘、俺が穢した女。
しかし、はじめましてと言った。
その訳のわからない発言に、体が硬直してしまう。
『･･･オスマン様、どうかされましたか？顔色が優れないようですが』
「なんでもあらへんよ。今日はよろしゅう」
表情からも前のような怯えが読み取れない。
『本日はいかがなさいますか』
「せやなあ･･･まあ、お茶会でもどうや？俺と2人きりで」
『！･･･はい、お受けします』
これはどういうことだ。
おかしい、彼女は確実に俺を恨んでいるはず。
お茶会で上手く聞き出すことができればいいんだけど。
「座って」
『失礼します』
ゾムに向けてるような優しくて柔らかい表情で見つめる玲。
本当に人が違うみたいだ。
「あの、前会ったことあるやろ」
『はい』
「恨んでへんの？」
聞き出せるか久しぶりに不安になったので、直接聞くことにした。
そもそも返事をもらえるかはわからない。
こんなこと、俺から聞くのはおかしいってわかってる。
彼女がさらに遠のく可能性だってある。
でも、これだけは。
『確かに私は、過去あなたに酷いことをされました。ですが、今目の前にいるオスマン様は恨んでいません。
私が恨んでいるのは、過去のあなたです』
「･･･なるほどなあ」
『引きずっていても、何にもなりませんので』
「そか」
やっとすっきりした。
ほんま、情けないな。
「じゃあ改めて。幹部として外交やっとる、オスマンや。よろしく」
『はい、特殊暗殺第一部隊隊員兼幹部補佐に任命されました、玲と申します』
「補佐が1番大変なんちゃうかなあ。それも見越して君が選ばれたんやろ。最初の仕事は俺からやで」
見つめた先の色素の濃い瞳は多少濡れながらも、はっきりと俺を見据えていた。
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