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side玲
バチッ
スタンガンの電流が流れたような感覚で目を覚ます。
夢を見ていたかどうかはわからないけど、何か嫌なことがあった気がする。
隣のカーテンが開いていたので覗いてみると誰もいない。
まさか、日を跨いで眠っていたのかな？
『ぁ･･･』
喉が渇いているみたいだ。けど、暗い部屋から察するに夜中である。
きっとみんな眠りについているはずだ。
下手に出歩こうとするといいことがない気がするので、体を寝かせて目を瞑る。
･･･誰かいる気がするなあ
でも、呼ぼうにも声を出すことができない。
口に出せないって虚しいなあ。
寒気を紛らわすように寝返りをうつと、通気口の蓋が開いた。
「玲･･･？起きてるん？」
『っ･･･む』
友人の名前すら呼ぶことができない。
けど目の前の緑の目はうるうると涙を溜めていて、普段隠れている瞳がいつになく光っている。
「よかった、おれ、玲どうなってまうんやとおもて」
『う、ごめ、』
上手く謝ることすらできない。
唾を溜めてどうにか飲み込む。うん、ちょっとマシになった。
寝たままの私を器用に抱きしめる腕は少しきつくて苦しいけど。
『ごめん、っくふ、大丈夫だから、多分』
「ほんまに平気なん？ほんまに？なんか、泣いとったやろ、なんでなん？」
『泣いてた･･･？』
「おん、お前な、ごめんなさいって泣いたんやで」
必死に言い訳を考える子供のように説明をするゾムの話を聞いてると、なんだか頭が痛くなる。
総統命令･･･
きっといつか、ゾムにも話す日が来るんだと、どうして気づかなかったのか。
『わかったよ、ちゃんと話すよ、その前に』
「その前に？」
『水ないかな？』
その途端、ぱっと安心しきったいつもの笑顔でなんやそんなことかと言った。
細められた目からぽろっと滴り落ちる一滴が、少し輝いて見えた。
「はい、水」
『っは、ありがとう、生き返った』
受け取った水を喉を鳴らしながら流し込む。
体に染み込む感覚がいつもより気持ちよかった。
「それで、話って何やねん･･･」
『驚かないで聞いて欲しいんだけど･･･』
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