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『はぁ、はぁ、』
「！？大丈夫かー！！」
『ゾムの方こそ。･･･おふたりとも、お怪我は？』
「お、俺は平気やで」
「うん、俺も大丈夫･･･ありがとう、ございます」
『なら、良かったです』
そう言って微笑む2人を見て安心してグルさんの方に戻ろうとすると、腕を引かれて足が止まる。
「あの！･･･あなた一体、何者なんですか？」
一般兵からここまで短期間で出世したことを言っているのか、私の戦闘の技術面を言っているのか、そこまではわからなかった。
だけどへらっとした笑いを抑えきれていないまま私の腕を掴み引き留めたその人から悪意は感じられなかった。
ならば、こう答えよう。
『えっ、一般的な暗殺兵ですが･･･』
「んなわけないやろ」
『あだっ･･･ゾムっ！！』
「んはは！！」
頭上に落とされたチョップの仕返しとして肩パンをお見舞いすると、横のニット帽の男性も大きな声で笑い出した。
きっと、ゾムと仲良しなんだろうなと思って見ていると、急にこちらに向き合って自己紹介を始めた。
「あ、えっと〜、僕、一応ら国の総統やってます、「らっ、だぁ、です、ミ☆」ゾムゥー？」
『あははは･･･らっだぁさんですね、玲と申します。新米幹部補佐ですが何卒･･･』
「あぁ、あなたが･･･多分これから会う機会増えると思うんでよろしくお願いします〜」
「何しとるん、はよ食おうぜ」
「『うげっ』」
きっと山ほど食わされるんだろうと想像したのはらっだぁさんも同じだったようで、嫌がる声が重なる。
この人とは仲良くなれそうだ。
「あっ、ちょっとゾムさんらっだぁさんー！僕も混ぜてくださいよー！」
「Nakamuさんこれ離れた方がいいやつですよ･･･」
「おっ！トントンもおるやんけ！！」
もみくちゃにされながら進んでいくパーティーが、なんだか楽しくて、不思議と笑顔になってしまう。
この国に集まる人々はみんな、なんていい人ばかりなんだろう！
私がこんなにいいところにいていいのだろうかという不安もあるけど、今は歓迎されておこうと思った。
これから、私の幹部補佐生活は忙しくなりそうだ。
どきどきと震える胸に応えるように、果実酒を飲み干した。
「君の戦いに幸あれ」
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