165 ページ28
「これからも私達、我々国幹部と我々国軍、そして我々国の全てを、どうかよろしくお願いします」
その言葉とともに一度ぴたりと止んだ拍手がさらに大きく湧き上がる。
それは全て、私をこの世界中に歓迎するような拍手だった。
その拍手に私は深々と頭を下げた。
「私自身お堅い式典は得意じゃないものでね、今日は天気もいいので少し早いですが宴にしましょう。料理や飲み物もたくさん用意してますので遠慮なくどうぞ」
その言葉とともにガヤガヤと力が抜けたように騒がしくなる。
固まっているとグルさんに肩を組まれた。
『わ！なにか･･･？』
「今日は君が主役だ。みんな君に会いに来ているんだ、いい人ばかりだから挨拶しに行くといい。それとも、俺と来るか？」
ここで断ってもいいけど、久しぶりのグルさんからのエスコートの誘いだ。
せっかくだし、受けておこうかな。
『･･･じゃあ、一緒に行こうかな』
「よし、行こう」
ニッと笑ったグルさんの顔が眩しくて、すぐに目を逸らしてしまった。
刹那、遠くでチカっと光が反射した。
「･･･？どうした」
『待って、狙われてます』
「どこだ･･･わかった、すぐ手配しよう。･･･防げるな？」
『お任せください』
「くくっ、さすがだな」
インカムに手を添えて裏に捌けるグルさんを確認してから、すぐ光の方に視線を戻す。
すぐにスコープの光だとわかった。
狙われているのは･･･ゾムと戯れている青いニット帽の人か･･･？
それとも、トンさんと話しているパンダのパーカーを羽織った人･･･？
どちらもラフな格好をしているから知らない人にはわかりにくいが、それぞれの国のNo.1である。
狙われるのも無理ない。
しかしあまりにも相手の狙いがブレるから特定しにくい。
少し焦ったく感じていると発砲されたことを知らせるように光がブレた。
狙いは･･･ゾムだ！！
近接の奇襲には強いけど、流石に遠すぎる。
護身用のナイフに手をかけ、弾の速さに合わせて･･･今！
高く鈍い音を立てて勢いが殺された銃弾が硬いナイフを跳ね返る。
軍服についていた分厚い手袋で銃弾をキャッチして、着地。
『はぁ、はぁ、』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
